マンハッタン距離

マンハッタン距離の例:どの色のコースを辿っても同じ距離が決まっている

マンハッタン距離(マンハッタンきょり、Manhattan distance)またはL1-距離は、幾何学における距離概念の一つ。各座標の差(の絶対値)の総和を2点間の距離とする。

ユークリッド幾何学における通常の距離ユークリッド距離)に代わり、この距離概念を用いた幾何学はタクシー幾何学 (taxicab geometry) と呼ばれる。19世紀ヘルマン・ミンコフスキーによって考案された。

定義

より形式的には、2点間の距離を直交する座標軸に沿って測定することで一般の n {\displaystyle n} 次元空間においてマンハッタン距離 d 1 {\displaystyle d_{1}} が定義される。

d 1 ( x , y ) := k = 1 n | x k y k | . {\displaystyle d_{1}({\boldsymbol {x}},{\boldsymbol {y}}):=\textstyle \sum \limits _{k=1}^{n}|x_{k}-y_{k}|.}

ただし、 x := ( x 1 , x 2 , , x n ) {\displaystyle {\boldsymbol {x}}:=(x_{1},x_{2},\cdots ,x_{n})} , y := ( y 1 , y 2 , , y n ) {\displaystyle {\boldsymbol {y}}:=(y_{1},y_{2},\cdots ,y_{n})} とおいた。例えば、平面上において座標 ( x 1 , y 1 ) {\displaystyle (x_{1},y_{1})} に置かれた点 P 1 {\displaystyle P_{1}} と、座標 ( x 2 , y 2 ) {\displaystyle (x_{2},y_{2})} に置かれた点 P 2 {\displaystyle P_{2}} 間のマンハッタン距離は

| x 1 x 2 | + | y 1 y 2 | {\displaystyle |x_{1}-x_{2}|+|y_{1}-y_{2}|}

となる。

マンハッタン距離は、都市ブロック距離(city block distance, 市街地距離)としても知られている。マンハッタン距離の名は、マンハッタンのような正方形のブロックに区分された都市で、自動車が運転される距離に由来する。ある角から東に 3 ブロック、北に 6 ブロックの位置にある角まで移動するには、いかなる経路を辿っても最低 9 ブロックを通過せねばならない。

チェスでは、ルークにとってのマス間の距離はマンハッタン距離によって測られる(キング・クイーンやビショップチェビシェフ距離を用いる)。

外部リンク