偽装セキュリティツール

偽装セキュリティツールとは、セキュリティソフトを装ったマルウェアの一種である。セキュリティソフトとしての機能がないにもかかわらず、コンピュータウイルスなどの脅威があると偽り、ソフトウェアの代金を要求するといった動作を行う。

ユーザーから金銭をだまし取ることを目的とした詐欺に用いられる。セキュリティ検知機能がないのにもかかわらず、「エラーが見つかりました」などの広告を表示し、ソフトウェアをダウンロードさせるといった手口が使われる。しかし、実際はそういったソフトに問題を解決する能力はなく、正規版の購入が必要などとして金銭を要求されることになる。これらのソフトウェアの広告は、YouTubeのような著名なサイトでも表示されたことがあり[1]インターネット広告企業が外部から攻撃を受け、この種のマルウェアを拡散させてしまうケースもある[2]

ユーザーに虚偽の情報を与えてセキュリティ上の恐怖をあおり、商品を購入させるものは「脅えさせる」という意の英語”スケア(scare)”と”ソフトウェア”を組み合わせた造語「スケアウェア」に該当する[3]。また、誤った情報を通知するソフトという意で「ミスリーディングアプリケーション」とも呼ばれる[4]。また、ソフトの販売自体が詐欺であるため「詐欺的セキュリティソフト」とも呼ばれる[5]

被害を防ぐためには、リスクを煽る広告を信用しないことが必要になる[4]。また、本来のセキュリティソフトの中にはこれらを「ウイルス」として駆除できるものもある。日本語の表現が不自然であるために判別できることもある[5]

主なソフトウェア

  • WinFixer
  • Security Tool[2]
  • RegClean Pro
  • KansenNashi
  • Error Safe
  • AnchiWamu2008[6]
  • Antivirus XP 2008
    • Antivirus XP 2009
  • Reimage Repair
  • PCサポート マイクロソフトのソフトウェアの専門家
  • PC SpeedScan Pro(ガンガンガン速)
  • My System Mechanic
  • SlimCleaner Plus
  • WinZipDriver Updater

脚注

  1. ^ 増田覚 (2006年10月18日). “YouTube上にも登場、詐欺的セキュリティソフトへ誘導するバナー広告”. Impress Watch. 2011年8月20日閲覧。
  2. ^ a b “偽セキュリティソフト「Security Tool」感染爆発、原因はマイクロアドの広告配信サーバへの攻撃”. GIGAZINE (2010年9月27日). 2011年8月20日閲覧。
  3. ^ “用語解説辞典”. NTTPCコミュニケーションズ. 2011年8月20日閲覧。
  4. ^ a b “PC世界のリフォーム詐欺、「ミスリーディングアプリ」って何だ?”. ITmedia (2007年1月11日). 2011年8月20日閲覧。
  5. ^ a b “詐欺的セキュリティソフト とは”. コトバンク. 2011年8月20日閲覧。
  6. ^ 「AntiWorm」ではなく、ローマ字綴りで「AnchiWamu」と表記されている

関連項目


インターネットセキュリティスイート
アンチウイルスソフトウェア
アンチスパイウェア
パーソナルファイアウォール
  • Avast Software
  • BlackICE
  • Jetico Personal Firewall
  • Kaspersky Anti-Hacker
  • Look'n'Stop
  • NEGiES
  • Outpost Firewall
  • Privatefirewall
  • Sunbelt Personal Firewall
  • ZoneAlarm
  • ノートン パーソナルファイアーウォール
  • マカフィー パーソナルファイアウォールプラス
  • Emsisoft Online Armor
その他
カテゴリ カテゴリ
伝染性マルウェア
潜伏手法
収益型マルウェア
OS別マルウェア
マルウェアからの保護
マルウェアへの対策
  • コンピュータサーベイランス(英語版)
  • ボットロースト作戦(英語版)
  • ハニーポット
  • スパイウェア対策連合(英語版)
カテゴリ カテゴリ
  • 表示
  • 編集