定義森林鉄道

定義森林鉄道(じょうげしんりんてつどう)は、現在の宮城県仙台市青葉区大倉の林野庁青森営林局仙台営林署管内において運行されていた森林鉄道である。

総延長は約11kmで、現在の定義如来(じょうげにょらい)の大駐車場がかつての起点と貯木場であり、これより大倉川(名取川水系広瀬川の支流)に沿って奥羽山脈・寒風山山麓に至る路線だった。

路線データ

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  • 全長 : 11.3km起点終点[1]
  • 規格 : 2級森林鉄道(森林軌道)

管理する営林署

  • 林野庁青森営林局仙台営林署

歴史

1929年10月24日アメリカ合衆国ニューヨーク証券取引所において株価が大暴落して世界恐慌が始まるが、日本では翌1930年(昭和5年)1月に金解禁を行ったためその波に呑み込まれてしまい、昭和恐慌昭和農業恐慌)に陥った。同年、宮城県では失業救済事業として林道開発を開始し、その後も災害・冷害対策の名目で農山村の救済事業としても林道開発を進めた[1]。当時、宮城県では燃料として亜炭仙台亜炭)の使用が一般化していたが、木材は木炭といった燃料のほかに軍事用・建材用など多用途に使用されていたため需要があった。

年表

  • 1938年(昭和13年)度から18年度の間に11,035mを開設
  • 1962年(昭和37年)度、8,755m廃止
  • 1963年(昭和38年)度、全線廃止

※全廃した年を1960年(昭和35年)とする資料もある[※ 1][※ 2]

車輛

貨車

ほぼ全ての貨車が木材輸送用だった。

現状

路線

かつては船形山の登山道として使用されたが、並行して市道や県道が開通してから使用されなくなり、荒廃している。木橋(コンクリート橋脚、木製橋脚)が残存していたが、平沼義之の定期調査により2004年から2009年の間に渡れないように工事が行われた形跡がある[2]

以前はインクラインの制動機が存在していたが[3]、少なくとも2020年10月時点でインクライン関連の遺構は撤去されている。

脚注

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注釈

  1. ^ 西裕之『全国森林鉄道』では1960年(昭和35年)全廃
  2. ^ 『仙台市史 通史編8 現代1』の355ページには1960年(昭和35年)に廃線とある。

出典

  1. ^ a b 『仙台市史 通史編8 現代1』 P.354~P.357
  2. ^ ヨッキれん. “【山さ行がねが】橋梁レポート 定義森林鉄道 巨大木橋(大倉川橋梁) 再訪編”. yamaiga.com. 2022年6月29日閲覧。
  3. ^ 西裕之『特撰森林鉄道情景』講談社、2014年、143-145頁

参考文献

  • 塩谷茂代発行、尾崎清子編集、イカロス出版、「廃道をゆく」ISBN 978-4-86320-111-8
  • 日本森林林業振興会秋田支部・青森支部 編『近代化遺産 国有林森林鉄道全データ(東北編)』秋田魁新報社、2012年、160、284頁

関連項目

  • 西方寺 (仙台市)
北海道地方

奥名寄森林鉄道 - 士別森林鉄道 -羽幌森林鉄道 - 温根湯森林鉄道 - 置戸森林鉄道 - 足寄森林鉄道 - 斗満森林鉄道 - 淕別森林鉄道 - 津別森林鉄道 - 武利意森林鉄道 - 定山渓森林鉄道 - 芦別森林鉄道 - 幾春別森林軌道 - 奥幾春別森林軌道 - 主夕張森林鉄道 - 下夕張森林鉄道 - 十勝上川森林鉄道

東北地方

津軽森林鉄道 - 川内森林鉄道 - 大畑森林鉄道 - 水沢森林鉄道 - 長木沢森林鉄道 - 鷹巣森林鉄道 - 杉沢森林鉄道 - 仁別森林鉄道 - 玉川森林鉄道 - 定義森林鉄道 - 新川森林鉄道 - 本宮林用軌道

関東地方

武州中津川森林鉄道 - 東京大学演習林軌道 - 入川森林鉄道 - 世附森林鉄道 - 根利森林鉄道

中部地方
近畿地方
四国地方
九州地方

安房森林軌道 - 内大臣森林鉄道 - 綾森林鉄道

◆:現存する森林鉄道(それ以外は廃止された森林鉄道)、※:坂川鉄道が廃止後に営林局へ譲渡され、その一部となった。
Category:森林鉄道 - Category:林業 - Category:林野庁
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