落第騎士の英雄譚

落第騎士の英雄譚キャバルリィ

テレビアニメ版のロゴ
ジャンル 学園[1]ファンタジーアクション[1]ラブコメ
小説
著者 海空りく
イラスト をん
出版社 ソフトバンククリエイティブ
SBクリエイティブ
レーベル GA文庫
刊行期間 2013年7月13日 - 2023年12月15日
巻数 全20巻(本編19巻+短編1巻)
漫画
原作・原案など 海空りく(原作)
をん(キャラクター原案)
作画 空路恵
出版社 スクウェア・エニックス
掲載サイト ガンガンONLINE
レーベル ガンガンコミックスオンライン
発表期間 2014年4月 - 2017年12月
巻数 全11巻
話数 全45話
漫画:落第騎士の英雄譚アンソロジー feat.ステラ
原作・原案など 海空りく(原作)
をん(キャラクター原案)
作画 あやかわりく ほか4名
出版社 SBクリエイティブ
掲載誌 GA文庫マガジン(一部の作品の先行掲載)
発表期間 2014年9月11&25日合併号 - 10月9日号
(一部の作品の先行掲載)
巻数 全1巻
話数 全5話(各作者につき1話)
アニメ
原作 海空りく
監督 大沼心
シリーズディレクター 玉村仁
シリーズ構成 ヤスカワショウゴ
脚本 ヤスカワショウゴ、河鍋俊、猪爪慎一
キャラクターデザイン 小松原聖
音楽 中川幸太郎
アニメーション制作 SILVER LINK.、Nexus
製作 「落第騎士の英雄譚」製作委員会
放送局 AT-XTOKYO MXほか
放送期間 2015年10月3日 - 12月19日
話数 全12話
ラジオ:石上静香と東山奈央の英雄譚RADIO
愛称 キャバラジ
配信期間 2015年10月2日 - 2016年1月15日
配信サイト 音泉
アニメイトTV
配信日 毎週金曜日
配信回数 全15回
配信形式 録音放送
パーソナリティ 石上静香
東山奈央
構成作家 福本岳史
ディレクター 山嵜省吾
タブリエ・コミュニケーションズ
プロデューサー 藤井亜季
(タブリエ・コミュニケーションズ)
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル・漫画・アニメ
ポータル 文学・漫画・アニメ・ラジオ

落第騎士の英雄譚』(らくだいきしのキャバルリィ)は、海空りくによる日本ライトノベル。イラストは、をんが担当。GA文庫ソフトバンククリエイティブSBクリエイティブ)より2013年7月から2023年12月まで刊行された。2017年2月時点でシリーズ累計発行部数は150万部を記録している[2]

2014年4月には「ガンガンONLINE」(スクウェア・エニックス)より漫画が連載され、2015年3月にはアニメ化が発表された[3]

ジャンルとしては学園ものであり現実世界のような雰囲気ながらも魔法の概念が存在するロー・ファンタジーに近い世界観が描かれている。また、戦闘シーンが多いことでも知られている[4]

あらすじ

1巻
己の魂を固有霊装と呼ばれる器に変えて戦う現代の魔法使い・伐刀者(ブレイザー)の養成学校である破軍学園に通う少年黒鉄一輝は、伐刀者としての能力値が低すぎて単位が取れずに留年してしまい、周囲の人間からは落第騎士(ワーストワン)と呼ばれていた。
ある日一輝は、学園に編入しようとしていた異国の皇女ステラ・ヴァーミリオンの半裸の姿を見てしまい、ステラから「負けた方が勝った方の言いなりになる」という約束付きの決闘を挑まれる。彼は伐刀者としての能力が低い反面剣術を極めていたため、周囲の予想に反してステラを下す。約束通りステラは一輝の「下僕」として同じ部屋で学園生活を送ることとなり、切磋琢磨の中で互いに惹かれてゆく。
入学式当日、新入生次席で入学した一輝の妹、黒鉄珠雫が現れる。異性として兄に好意を抱いていた珠雫は、クラスメイトの目の前でいきなり一輝に口づけをし、その場にいたステラは対抗心を燃やす。
週末、黒鉄兄妹とステラ、そして珠雫のルームメイトの有栖院凪(以下:有栖)は外出先でテロリスト集団「解放軍」(リベリオン)によるテロ行為に巻き込まれる。その場に居合わせていた一学年上の生徒桐原静矢の助けで「解放軍」を撃退する。
しかし、「狩人」こと桐原は一輝のことを見下し迫害していた1人だった。その後、2人は校内の伐刀者同士の「選抜戦」のトーナメントで戦うこととなる。ステラの激励を受けて奮い立った一輝は、戦いの中で模倣剣技(ブレイドスティール)を応用して、対戦相手の思考や価値観を盗み出し相手の行動を先読みする完全掌握(パーフェクトビジョン)を開眼し、桐原に勝利を収める。一輝は満身創痍で気を失い、その後運ばれた医務室でステラと互いの気持ちを通じ合わせて恋人となる。そして、いつか七星剣王の座をかけて再び戦うことを互いに誓う。
2巻
静矢との一戦を制した一輝は、いつしか無冠の剣王(アナザーワン)と称され、上級生を含む破軍学園の生徒から剣術指南を依頼されるようになった。
非伐刀者で綾辻一刀流の剣士・綾辻海斗の娘である絢瀬が一輝に剣術指南を依頼する。お礼としてファミレスで食事を一輝とステラに奢っていたところへ、2年前に綾辻一刀流の道場を奪い取った倉敷蔵人が来店し一触即発となるが、一輝の機転で事なきを得る。しかしその夜、一輝の次の選抜戦の相手が絢瀬に決定する。
選抜戦前日の夜、絢瀬は学校の屋上に一輝を呼び、そこから身投げしてしまう。一輝は一刀修羅を用いて彼女を救出するが彼女の真の狙いは「一刀修羅を選抜戦の前に使わせ、自分との選抜戦で一刀修羅を封じる」ことであった。
翌日、固有霊装「緋爪」により予め罠を張ったリングで、絢瀬は一輝との選抜戦を行う。序盤は絢瀬が優位に立つが、戦いの中で一輝は彼女が綾辻一刀流の誇りを捨てきれていないことを確信し、第四秘剣・蜃気狼を以って絢瀬から勝利を奪い取る。
彼女の望みと蔵人との因縁を知った一輝は綾辻一刀流の道場へ向かって事情を知り、道場を奪還するため蔵人に戦いを仕掛ける。一輝は絢瀬の剣から盗んだ綾辻一刀流最終奥義・天衣無縫を蔵人に叩き込む。「天衣無縫に挑んでみたい」という想いだけで2年間、道場を支配していた蔵人はこの戦いに満足し決闘を中断して絢瀬に道場を返し、一輝に「戦いの続きは七星剣武祭でだ」と言い残しその場を去る。蔵人に敗北し意識不明となった綾辻海斗の本当の想いをステラから伝えられた絢瀬は、今よりもっと強くなることを心に誓う。
そして一輝達は、絢瀬から意識不明で入院していた海斗が目を覚ましたことを聞く。同日、珠雫の元に次の選抜戦の相手が破軍学園序列第1位・東堂刀華に決定した、というメールが入る。これまで手を抜いて相手を傷つけないように選抜戦を戦ってきた珠雫はこの内容に喜悦の声を上げた。
3巻
選抜戦で勝利し七星剣武祭に出場すると誓う珠雫だったが、刀華に敗北する。
その後一輝とステラは、刀華と生徒会執行部がおこなっている、奥多摩の合宿所に現れる謎の巨人の調査を手伝うこととなる。その中で一輝は、東堂刀華の本当の強さを生徒会副会長・御祓泡沫から聞かされ、「君のような何も乗っていない剣では多くの想いを背負っている刀華には勝てない」と断言される。
一輝とステラの交際が新聞に報道され、一輝は魔導騎士の資格を問う倫理委員会の査問を受けることになる。この査問は一輝を魔導騎士にさせないための黒鉄家の攻撃であった。
無実の訴えも虚しく監禁状態に置かれた一輝は心身ともに追い詰められていく。そこに今回の騒動を主導した自らの父・黒鉄厳が現れる。一輝は久方ぶりの父との会話の中で、実の息子よりも騎士社会の秩序を大事にする父の姿を見て、ついに精神が崩壊してしまう。そのタイミングを見計らって、倫理委員会は選抜最終戦の対戦相手を東堂刀華に変更し、「彼女に勝てば今回の件は不問、負ければ魔導騎士連盟から永久追放」と要求する。
選抜戦最終日、学園にたどり着いた一輝は様々な者達からの暖かな声援を受け、自分の剣にも多くの想いが乗っていたことに気づき、自分と刀華の剣に込められた物は対等であると確信する。そしてステラの声援を聞き、自分を信じてくれる者達に刀華への勝利宣言をする。
一輝は一刀修羅を試合開始と同時に発動し、自らの最速の剣技である第七秘剣・雷光を以って真っ向勝負を挑む。刀華もまた、彼の誇り高い意思を汲み一歩も引かず伐刀絶技・雷切を振るう。雷切の方がわずかに速いことを確信した一輝は、一刀修羅を更に進化させ新たな伐刀絶技・一刀羅刹を作り上げ勝利を収める。
この一戦に強い興味を持ち会場に訪れていた南郷寅次郎は、かつての自分の好敵手である龍馬とその曾孫である一輝の姿を重ねて笑みをこぼす。また、この顛末を聞いたステラの父・ヴァーミリオン皇国国王ことシリウス・ヴァーミリオンが今回のスキャンダルについて当面保留とすると公言したことで報道陣もこれ以上追求できなくなり、一輝も無罪放免となる。
一週間後、一輝は七星剣武祭任命式で代表選手団長に任命され、改めて七星剣武祭で優勝することを宣言する。その頃、有栖は破軍のものではない生徒手帳を持ち、奥多摩の巨人騒動の犯人である鋼線使いの伐刀者・平賀玲泉と密談を交わす。
4巻
7月下旬、一輝・ステラ・有栖・カナタ・葉暮姉妹ら破軍の代表選手は七星剣武祭に備え巨門学園の代表選手達との合同合宿に参加する。そこで出会った、巨門学園1年の代表選手・紫乃宮天音に不審を覚えた一輝は新聞部員の加々美に素性調査を依頼する。
合宿最終日前日、加々美は「七校の代表選手の中にもう一校の別の存在がいる」と気づくも、この事実を知ったことで有栖に監禁される。その日有栖は珠雫の寝顔を見て、幼い頃、亡くなった親友のユーリと誓った約束や自分がかつて養っていたストリートチルドレンに「姉」として慕われていた生活を思い出す。
合宿最終日、「暁学園」と名乗る学園の代表選手達が、破軍に代わって七星剣武祭にエントリーするため破軍学園を襲撃する。有栖は暁学園の一員でありながら珠雫を見捨てられないという理由で破軍側につくが裏切り者として連れ去られてしまい、一輝と珠雫が後を追う。一方、ステラは今回の襲撃犯にして一輝の兄・黒鉄王馬に追いつめられた末、刀華に救出される。刀華は葉暮姉妹にステラを預けて逃がし生徒会のメンバーと共に暁学園と戦うが、力及ばす敗北する。
一輝と珠雫は有栖を追って暁学園の校舎に辿り着くと、世界最悪の犯罪者にして世界最強の剣士・比翼のエーデルワイスと出会う。一輝はエーデルワイスに完膚なきまでに敗北するが、エーデルワイスは一輝に自分の好敵手となる可能性を感じ、止めを刺さずその場を去る。その後、一輝は駆け付けた理事長の新宮寺 黒乃の手により一命を取り留める。
校舎に潜入した珠雫はヴァレンシュタインと交戦、自身の体を気体化させて攻撃を無効化し、それを再構築することで肉体を蘇生させる新たな伐刀絶技・青色輪廻を発動し勝利する。ヴァレンシュタインに拾われ暗殺者として生きてきた有栖を珠雫はいつも通り「姉」として受け入れる。有栖も珠雫のために、今度こそ幼い頃の自分に誓った「格好いい大人」として生きることを決意する。
総理大臣でもある暁学園理事長・月影獏牙の情報操作により、「破軍を半壊させた少数精鋭の学園」という看板を下げて暁学園が七星剣武祭に出場することが決定する。今回の破軍襲撃騒動により、有栖・カナタ・葉暮姉妹は七星剣武祭を辞退した一方、珠雫が4人に代わり七星剣武祭出場を表明する。自らの力不足を痛感したステラは、世界ランキング3位の西京寧音の下で修業することを決める。
5巻
七星剣武祭開催の2日前、各校の代表選手が一堂に会する立食パーティで、破軍襲撃騒動で戦ったサラ・ブラッドリリーに加え、風祭凛奈多々良幽衣といった暁学園の生徒たちと出会う。
一輝は、昨年の七星剣武祭優勝者であり自分の初戦の相手でもある武曲学園の諸星雄大に暁学園のことを話す中で、「自分が考えている魔導騎士の本質」と「今回の七星剣武祭に臨む姿勢」を伝え、それを聞いた諸星は一輝を気に入る。一輝達は諸星の妹・小梅と出会い、廉貞学園の薬師キリコから、彼が事故に遭ってから伐刀者として復活するまでの経緯や、事故への責任感から小梅が失声症になったことを知る。
その後一輝は兄の王馬と再会する。王馬は一輝の存在がステラの成長を遅らせていると断言し、一輝に七星剣武祭を辞退するよう要求するが、一輝は身勝手だと一蹴し、2人はそこで決闘を始めてしまう。その戦いの中で一輝は「戦闘中に集中力が高まると自分の身体が停止する」という異常事態を起こす。諸星の横槍で決闘は中断するも、自分の体に起きた異常事態に一輝は不安を感じる。
七星剣武祭当日、一輝と諸星の初戦が始まった。諸星の高水準の槍術と魔力の塊である固有霊装をも削ることが可能になった伐刀絶技・暴喰(タイガーバイト)に対し、一輝の身に再び謎の異常事態が起こり一輝は追い詰められていく。決着がつきそうになったその時、先だっての戦いで、自分が比翼のエーデルワイスの剣技を盗み彼女の本気の一撃を凌いだことに気付いた一輝は、自分の体にエーデルワイス戦の時と同じ指示を出す。すると、一輝の体は閃光の如きスピードを得て諸星を切ることに成功する。
一輝の体に起こっていた異常事態の正体は「無意識の内にエーデルワイスの剣技を使うために獲得した、従来の信号よりも速度も情報量も圧倒的に多い戦闘用の脳信号をキャッチできなかった」ことによるものであった。それを理解した一輝は比翼の剣技の加速を用いて諸星へと攻撃を仕掛け、諸星は追い込まれる。その時、小梅がついに応援の声を上げられるようになった。それに呼応するように諸星は起死回生のカウンターを狙うが、蜃気狼により生み出された一輝の残像に当たってしまい、敗北を喫する。
試合を終えた一輝の前に、寧音との修行から帰ってきたステラが姿を見せる。巨門学園の鶴屋美琴は正攻法ではステラに勝てないと考え、ステラの遅刻に対して試合でのペナルティを要求する。ステラはこれに反論し、自分へのペナルティとして元々の対戦相手であった鶴屋との一戦にBブロック一回戦の勝者、多々良・凛奈・平賀を呼びつけ4対1の変則試合を要求する。優勝候補の一角であるステラを潰すまたとないチャンスを得た暁学園のメンバーはこの要求を受け入れ、鶴屋もこの条件を呑む。これは暁学園に対するステラの報復という一面もあった。
6巻
Bブロック第四試合にて、ステラは、鶴屋・多々良・凛奈・平賀の4人を相手取ることになった。ステラは、多々良の伐刀絶技・完全反射(トータルリフレクト)や、凛奈の飼っているライオン・スフィンクスによる王者の威圧(キングス・プレッシャー)をはじめとする技の数々を魔力のバリアでしのいでいった。また、ステラは多々良に左腕の骨を折られるが、その腕で多々良を殴り、失神させる。
鶴屋は平賀の甘言に乗る形で、凛奈と共に時間稼ぎをすることを決意する。鶴屋は伐刀絶技・死神の魔眼(サーティン・アイズ)でステラを氷漬けにしようとするが、ステラは即座に妃竜の羽衣(エンプレスドレス)で氷を溶かしてしまう。スフィンクスが彼女の動きが僅かに鈍ったところで王者の威圧を発動して動きを止めようとするも、逆にプレッシャーを与えられ、跨っていた凛奈を振り落として逃げてしまう。客席にいた凛奈のメイドのシャルロット・コルデーからも攻撃を受ける中、片腕では分が悪いと踏んだステラは己の炎で自らの骨を溶接して左腕を復活させたのち、凛奈陣営を撃破する。
その隙に平賀はステラを倒す準備を進め、ついには伐刀絶技・機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)でドーム外から集めた瓦礫で50mの身体を作り、その中から巨体を操作してステラを攻撃する。この際、平賀は伐刀絶技・操り人形(マリオネット)で鶴屋の意識を乗っ取る形で死神の魔眼の出力を無理やり上げ、ステラの固有霊装を凍らせる。暁学園への報復とは無関係な鶴屋まで巻き込む平賀の行いはステラの怒りを買い、伐刀絶技・暴竜の咆哮(バハムートハウル)でリング上全てを焼き払ってしまう。ステラが鶴屋を気遣い幻想形態にしたことで死者は出なかったが、鉄と樹脂でできた平賀の身体はボロボロに焼け焦げており、そのままステラが止めを刺したことでBブロック第四試合は終了した。この戦いにより多々良はドクターストップ、凛奈は棄権、平賀はリングに生身で上がらなかったことによる反則で失格となり、ステラは準決勝まで一気に駒を進めることになった。
そのころ、一輝達の前に天音が現れ、自分の願望を叶うように因果が捻じ曲がる能力を使って、対戦相手であるキリコを棄権に追い込む。彼は破軍襲撃のお詫びとして一輝の優勝を願ってあげると言うが、一輝に拒絶された上、自分の試合を邪魔すればただでは済まさないと警告される。天音は運命に抗い続け一輝が壊れるまで応援すると言い残してその場を去る。
その夜、一輝が自室でステラと会話していたところ、サラが訪ねてくる。一度は扉を閉じて追い返すも、サラは自分の能力で一輝の部屋に侵入してまたヌードモデルになれと迫る。サラのことを知らないステラは一輝を問い詰めるが、事情を説明するとモデルを拒否している一輝に味方する。するとサラは自分が世界的に有名な覆面画家マリオ=ロッソであることを明かし、ヌードモデルを描かせてくれたらヴァーミリオン皇宮に二人の結婚式の肖像画を描く約束する。するとステラは掌を返し、サラに味方してしまう。二人から逃れるために一輝は王馬の部屋を訪ねる。弟から一連の騒動の理由について聞かれた王馬はステラと戦いたいだけだと答える。一輝は兄が昔と変わっていないことを知って安堵し、そのまま一晩を明かした。
翌日、ステラの影響で試合数が減ったことに対して、放映権を購入したスポンサーから苦情が寄せられ、運営委員会は二回戦・三回戦を一気に消化するという通達を出した。この決定の裏には天音がいると推測した一輝は、加々美とステラに昨日の天音のことを話す。それを聞いたステラは天音を失格にできないかと考えるが、天音の能力の関係上、それは不可能に近いと一輝は話す。彼女は自分が一輝を不利にする原因を作ったことに責任を感じるが、一輝はステラとの決戦が一日早まったことを喜んでいるとステラに伝える。
控え室にいた一輝は、同室の蔵人の固有霊装が二刀流になり、形も変わっていることに驚く。蔵人は一輝と戦うために自分を磨いたと一輝に豪語し、二回戦第一試合でサラとの試合に臨む。蔵人はサラの伐刀絶技・色彩魔術(カラー・オブ・マジック)による変幻自在の能力に真っ向から対応してみせる。いらだったサラはそれまで使わなかった伐刀絶技・幻想戯画(パープル・カルカチュア)で次々と攻撃を蔵人にぶつけていき、ついには偽一輝をけしかける。蔵人は猛攻を受ける中、本物の一輝の声援で何とか偽一輝を撃破するも、二人の新たな偽一輝に刺され蔵人は敗北してしまう。
サラに一輝は警戒心を強める。その戦いを見ていた一輝の対戦相手・城ヶ崎白夜は、一輝が七星剣舞祭で絶対に優勝しなければならない事情から自分との試合で一刀修羅を使うことはないと確信し、諸星に対して二十三手目で自分が勝利すると口にし、試合に臨む。そして、第二試合開始の合図が鳴ると同時に、一輝は一刀羅刹を発動する。
7巻
一刀羅刹で城ヶ崎を下した一輝は、強敵サラを前に自分の切り札を失ったことに不安が残った。また一刀羅刹の反動で負傷していたため、彼は再生槽で療養することにした。
珠雫が武曲学園の浅木 椛を撃破したその頃、サラは麻酔で眠っている一輝をモデルにしようとしてステラに追い出される。目を覚ました一輝とステラが会話をしていたところへ、厳が医務室に訪れ、自分との勘当を検討していると告げる。一輝の実力を直に見ても、なお自分の価値観を変えようとしない厳にステラは怒りを露わにするが、一方で厳も騎士社会の秩序のために妥協は一切しないとして譲らなかった。一輝はこの話を一旦保留にし、後日厳に改めて自分の答えを伝えることを表明する。
その後、医務室にもサラが戻ってくる。しつこくモデルの依頼をするサラを突っぱねる中で、彼女の唯一の服である絵具避けのエプロンの紐を切ってしまう。ステラは、新しい服を買うためにサラをデパートに連れ出すことにし、一輝達も合流した。それぞれが買い物をした後、珠雫は次の試合の準備のために有栖と共に会場に戻った。ステラは一輝の所へ戻る中、途中でテレポートの能力で突然目の前に現れた伐刀者と思わしき赤子を保護する。親がいないことで泣き出した赤子をサラは子守歌であやし眠らせた後、赤子の絵を描き始める。彼女の絵の出来を称賛する一輝は、サラの過去と父親との思い出を聞かされ、その中で厳との勘当に一つの答えを見出す。彼女の本気を見たくなった一輝は、次の自分との試合の結果でモデルをやるか諦めてもらうかの賭けを持ち出す。
午後、七星剣武祭三回戦の幕が開く。第一試合では、は圧倒的な実力差で禄存学園の加我 恋司を下した王馬が勝利する。
次いで一輝とサラの戦いが始まり、一輝はサラの幻想戯画を持ち前の技術でいなす。彼はサラの描いた偽エーデルワイスにリングアウトされた際に幻想戯画の弱点を見つけ、それを利用して偽エーデルワイスを自滅に追い込む。エーデルワイスにほぼ全ての魔力をつぎ込んだサラは諦めかけてしまうが、父の遺作を完成させたい想いで残りの魔力をつぎ込んでオリジナルの幻想、幻想戯画・マリオ=ロッソを作り上げ最後の勝負を仕掛ける。一輝の攻撃を無傷で受け止めるマリオ=ロッソにサラは勝利を確信するが、一輝は偽エーデルワイスの斬撃が作った鎌鼬を利用しマリオ=ロッソの動きを鈍らせ、その隙にサラを撃破する。サラは一輝をモデルにすることは諦めないとだけ言い残し、リングに倒れる。
続く珠雫と天音の戦いを見てから治療を受けようと考えた一輝は、観客席に戻りそこでステラの祝福を受ける。しかし、試合時間になっても両者はリングに現れる様子がない。不審に思った大会実行委員会は、天音の控え室の監視カメラを映す。するとそこには、血塗れになった珠雫とその様子を見て笑う天音の姿が映されていた。
8巻
天音との試合の数分前、珠雫は有栖の能力を借りて天音に奇襲をかけるが、過剰なる女神の寵愛(ネームレスグローリー)の効果により返り討ちに遭ってしまい、珠雫は反則負けとなる。
その日の夜、一輝は近くの公園で比翼の剣技をものにするためのトレーニングを行っていた。その様子を見たステラは改めてエーデルワイスの剣技が桁違いの代物だと知ることになる。一輝から「お互い次は正念場になる」と言われたステラは、決勝で待っていると言い残しその場を後にする。入れ替わりに月影が訪ねてきて、天音の過去と彼が一輝に執着する理由を一輝に話す。
準決勝、ステラと王馬の戦いが始まる。激しい攻防が繰り広げられる中、ステラは自分の刃が通らないほどの強靭な王馬の肉体を目にする。
王馬は海外で修行に励んていたある日、解放軍のリーダーである《暴君》アダムス・ゲーティア[注 1]に完膚なきまでに叩きのめされた過去があり、自分の肉体を進化させるために風の鎧で相手の攻撃を防ぐための伐刀絶技・天龍具足で自分の肉体に高圧の枷を掛けたまま過ごし続けていた。天龍具足を解除した王馬はステラをドームの外まで吹き飛ばす。一輝以上にストイックな生き様を見せる王馬にステラは敬意を表し、寧々との戦いで身に着けた新たな伐刀絶技・竜神憑依(ドラゴンスピリット)を発動し王馬を圧倒する。圧倒的な力でねじ伏せられる王馬は解放軍の長である暴君に敗北した時のトラウマに囚われるかけるが、今度こそは負けないと気持ちを切り替え、月輪割り断つ天龍の大爪(クサナギ)で天壌焼き焦がす竜王の焔(カルサリティオ・サラマンドラ)との鍔迫り合いを仕掛けるが、拮抗することなく炎が風を飲み込んでしまう。天壌焼き焦がす竜王の焔を受け敗北するも、最後までリングに立ったまま留まり続けていた。そんな王馬の姿にステラは勝利の喜びを見せることなくリングを後にする。
続いて、一輝と天音の戦いが始まる。試合直前、天音はこの戦いを棄権して一輝の優勝を願うと発言するが、一輝の挑発に乗る形で撤回する。開始直後は過剰なる女神の寵愛により、全てがラッキーヒットとなる天音に押される一輝であったが、自分の持ちうる技術を結集し過剰なる女神の寵愛で発生する自分のミスを即座に建て直し、天音を圧倒し始める。自分の能力で起こっているはずのミスを受け流す一輝に痺れを切らした天音は、過剰なる女神の寵愛に一輝の死を願い、一輝の心臓を停止させる。心臓を止められ動けなくなった一輝に天音が止めを刺そうとしたその時、一輝は比翼の剣技を応用して心臓を自力で動かし天音に致命傷を負わせる。因果干渉系の能力は100%起こらないことは起こせないという前提に基づき、解説の寧々は「天音の致命傷は、彼が一輝に勝つことは絶対にあり得ないことを意味している」と告げる。天音は自分の思いどおりにならない一輝に怒りを見せるが、一輝は「自らの能力にも勝とうとしていない者に自分が負けるわけがない」と吐き捨てる。天音は出血多量で倒れ、一輝の勝利が告げられる。
審判が天音に応急処置を施そうとしたその時、一輝への怒りで天音は立ち上がり、己の能力を凝縮させ触れたものに死をもたらす死神の手を作り上げて暴走を始めてしまう。黒乃らプロの魔導騎士達が天音を取り押さえようとするが、一輝は黒乃達に観客の護衛を依頼し、天音を止めるために一刀修羅を発動し、攻撃を仕掛ける。対し天音も自らの霊装アズールで反撃をするが、死神の手の反動でラッキーヒットにならなくなったことで攻撃を弾かれてしまう。それでも諦めきれない天音は過剰なる女神の寵愛の動きを土壇場で模倣し、一輝に攻撃をぶつけようとする。その攻撃に一輝は第二秘剣・裂甲でカウンターを決め、天音の死神の手を止める。悔しがる天音に一輝は、かつて黒鉄家に見捨てられ悔しさの中にいた自分の心を救ってくれた龍馬の言葉を送り、リングを後にする。だが、一輝は審判をかばった際に死神の手を掠っていたことで昏睡状態になってしまい、厳の頼みで駆け付けたキリコの手により一命を取り留める。その後、決勝戦は延期となった。
9巻
決勝戦、ステラの剛力に対し、一輝は相手の攻撃による衝撃を剣に乗せて弾き返す第三秘剣・円(まどか)で真っ向からぶつかり合う。共に過ごした時間が長かったことでステラの心理を完全に見切っている一輝は、ステラにヒットアンドアウェイによる攻撃を繰り返す。一輝が圧倒的有利となった場面に多くの観客は歓声を上げる。しかし、一部の伐刀者達は一刀修羅や一刀羅刹で勝負を決められたであろう場面でなぜかそれらを使わない一輝に違和感を感じる。
突然ステラは防御すら止め、隙だらけになるが一輝は攻撃を中断する。するとステラは前回の王馬戦とは異なり、ノーモーションで竜神憑依を発動する。一輝や伐刀者達が感じていた違和感の正体は一輝の伐刀絶技にステラが竜神憑依でカウンターを狙っていたことであった。竜神憑依の能力で想定以上に跳ね上がったステラの力に一輝は対抗できず、心までもがステラに怯えてしまう。その隙をステラは見過ごさず、一輝に大きなダメージを与えすかさず勝負を決めに行く。だが意識がなくなりかけていたにもかかわらず、一輝の身体は無意識の内に円を使ってステラにカウンターを決める。その一撃で再び心を持ち直した一輝は一刀修羅を用いて竜神憑依を発動したステラと正面から戦うことを決意する。戦いの最中にもなおも進化し続けていく二人だったが、次第に地力の差が見え始める。やがて一輝は魔力によって定められた運命の終着点に辿り着き、ステラの進化についていけなくなってしまう。そして、遂にステラの天壌焼き焦がす竜王の焔をまともに喰らい、一輝は場外の液晶モニターに沈む。最早一輝は敗北したと確信した観客は声援を出さなくなり、ステラも液晶モニターの残骸の中に沈んでいる一輝に背を向ける。
ステラの進化についていけなくなる少し前、一輝は自分の運命を縛る鎖にがんじがらめにされていることに気づく。ここが自分の限界だと示す運命の鎖を意にも介さず、一輝は自分の身体に負荷をかける。一輝はステラへの無尽蔵の想いを爆発させ、その想いを自分の力へと変えて運命の鎖を引き千切る。すると一輝の身体は運命の限界を突き破り、それまで否定されてきた「魔力容量の増加」を引き起こし再びステラの前に姿を現す。
前代未聞の事態に周囲は騒然となった。ステラも初めは何が起こったかわからなかったが、すぐに一輝は自分と共にどこまでも高みへ登れる存在であることを確信する。そして二人は最後の勝負に出る。固有霊装すら消し飛ばす灼熱を身に纏い、ステラは一輝に刺突を仕掛ける。ステラの思惑を見抜いた一輝は一刀羅刹を発動して固有霊装が消滅するよりも早くステラを切り裂くカウンターを狙う。刹那の中でステラは一輝が自分の影よりも早く剣を振るうのを目撃する。のちに人々から終(つい)の秘剣・追影(おいかげ)と呼ばれる居合切りによってステラは切られ、互いに死力を尽くした戦いは、一輝の薄氷の勝利となった。
試合後、揃って医務室送りとなった二人は、精神力の消耗で理性の枷が外れた一輝はステラを押し倒し、初めて体を重ねる。翌朝二人は表彰台で束の間の幸せを噛み締めた。こうして落第騎士は学園の頂点、七星剣王(セブンスワン)に上り詰めた。
10巻
七星剣武祭終了から2日後、一輝たちは「一番星」で行われた祝勝会に参加する。そんな中、一輝とステラは前日に起こったある出来事に思いをはせる。
月影からのメールで、2人は七星剣武祭のリングに呼び出される。そこで突然、黒い甲冑をまとった世界ランク第4位の伐刀者・アイリス・アスカリッドが2人の実力を確かめるべく、奇襲をかけ、月影・寧々・黒乃に呼び止められる。月影がアイリスの代わりに事情の説明と謝罪をしていえる間、アイリス本人はリングを立ち去る。
月影は、決勝で一輝に起きた魔力の増大について説明を始める。
自身の運命を知り、その上で先を目指そうとする強い野心が揃って初めて辿り着ける魔人(デスペラード)と呼ばれる世界があること、そして寧音や南郷、先ほど戦ったアイリスなど世界には魔人の域に到達した実力者が他にもいるという。月影は、訓練次第でどこまでも強くなれるようになった一輝に可能な限りの支援をすることを申し出る。だが一輝は、暁学園の一件をきちんと説明しなければ信用できないとしてこの申し出を拒否する。月影はそれも話すつもりだったと口にし、自らの固有霊装・月天宝珠を取り出す。月影は月天宝珠の能力で、焦土と化していく未来の東京を一輝達に見せる。月影は、日本が連盟に残ったままではこの絶望の未来を回避できないと考え、今年の七星剣武祭で連盟非公認の暁学園が優勝することで国内にはびこる反連盟の声を強くし、最終的に日本をもう一つの伐刀者育成機関・大国同盟(ユニオン)に鞍替えさせることが暁学園の一件の真相だと語る。
夏休み、珠雫はキリコに会うため広島へ行き、兄が死の危険に瀕した際に何かできるようになりたいという思いから、水の魔術の師事を受けることにした。手始めにキリコはヴァレンシュタイン戦での未熟な蘇生術によって歪んでいた珠雫の身体を矯正する手術を行うが、珠雫は苦痛を伴うことを承知の上で麻酔を受けずにキリコの技術を全て自らの目で見ることを選ぶ。それが珠雫の覚悟と決意の表れであった。
「家族に挨拶する」という約束を果たすため、一輝とステラは彼女の故郷であるヴァーミリオン皇国に向かう。一輝は娘の結婚相手として歓迎されたのも束の間、娘を溺愛するヴァーミリオン王・シリウスの思い付きにより文字通り「国民全員を敵に回す」羽目に陥り、ステラの知己である伐刀者・ティルミットとミリアリアのコンビと対決したり、果ては戦車まで出撃しての大騒動になる。
前回の戦いで人間の理を超えた魔人の域に目覚めた一輝は度重なる襲撃を圧倒的な力でねじ伏せ、ようやく結婚が認められるかと思われた。だがステラの姉・ルナアイズによる横槍が入り、一輝に「国民にヴァーミリオンの英雄として認められること」、すなわち騎士同士の一騎討ちで行われる戦争に参加することを要求する。
そのころ、隣国・クレーテルラントで第1王子のヨハンを筆頭とする5人の伐刀者たちがヴァーミリオン皇国との戦争に備え、調整を行っていたところ、オル=ゴールが襲う。代表選手達の抵抗も空しく、全員がオル=ゴールに敗北し、国は乗っ取られた。
11巻
凛奈とサラ、そして月影は、凛奈の父にして解放軍の重鎮である風祭晄三の呼び出しを受け、アルプス山中の解放軍本部を訪れたところ、壊滅状態になっていた本部施設を目の当たりにする。月影は月天宝珠の力で、解放軍の最高幹部《十二使徒(ナンバーズ)》の1人だったオル=ゴールが組織を裏切り、ヴァレンシュタインら他の十二使徒をはじめとするその場にいた構成員を皆殺しにした様子を再現する。しかも、そこには《砂漠の死神(ハブーフ)》・ナジーム・アル・サレーム《悪の華(ダーティ・ローズ)》・アイン、そして《B.B》といった解放軍を裏切った伐刀者たちが合流していた。
その頃、ヴァーミリオン皇国ではヨハンから、オル=ゴールが近くに潜伏しているという情報に対する対処の相談と、ステラを破った一輝と一目会いたいという要請が来たことから、彼らを連れたルナアイズがクレーデルラントの首都リュシェールへ向かった。ルナアイズの話では、かつては対立していた両国が、30年前にシリウス王がクレーデルラントのクレフ王に直談判して以来、次第に友好を深めるようになったとのことであった。
一行はクレーデルラントの人々に歓待されるが、すでに代表選手たちを初めとするクレーデルラントの主要な者たちはオル=ゴールによって既に殺されており、操り人形にされていた。唯一生き残ったヨハンもそれまでに受けたむごい仕打ちによって精神を閉ざした状態となっていた。
そして、オル=ゴールの伐刀絶技《殺人戯曲》による無数の斬撃が放たれ、ルナアイズ達に確実な死が降り掛かることを感じながら、ステラは全く動けなかった。一輝は身を挺して魔人たるオル=ゴールの斬撃から人々を守った。怒るヴァーミリオン姉妹に対し、オル=ゴールはステラの精神崩壊する様を見るのが楽しみだと語り、操り人形と化したクレーデルラント軍によるヴァーミリオンへの大侵攻を開始したことを告げる。
そこへステラ達を見張っていたアイリスが登場し、オル=ゴールから「アイリス姉さん」と呼ばれる。その会話の中で彼の発した悪意と害意の魔力を目の当たりにしたステラは、まともに戦えば自分が死ぬことを直感してしまう。それは「魔人」と「ただの伐刀者」であるステラとの決定的な差であった。アイリスは国際魔導騎士連盟副長のノーマン・クリードから借りた霊装を用いて自分を含めた4人をヴァーミリオン領内へ転送し、一輝は彼女の霊装《無敵甲冑(オルカレイコス)》により治療された。オル=ゴールに傷つけられていたルナアイズは病院へ運ばれ、ステラも王宮へ帰る。そこで、事情を聞いた王妃アストレアは自分の責任でヴァーミリオン国民を守るため、敢えて軍に侵攻してくるクレーデルラント軍を迎撃する命令を出そうとする。だが、シリウス王は全軍を国民とともに首都まで退却させる決断をする。
ヴァーミリオン国民を退却させつつ、オル=ゴールに操られたクレーデルラント軍を傷つけずに開放するための作戦が始まった。ヘリに乗った一輝は、オル=ゴールが人間を操るために使う「中継(ハブ)」を見つけ、同乗するミリアリアが狙撃銃で「中継」にペイント弾を着けて抑え込んでいった。これによりクレーデルラント軍の約三分の一が解放された。だが、王宮にはアイン、一輝の前にはB.B、ステラの前にはナジームが立ちふさがった。
王宮ではアインの霊装によって人々が動けなくなってしまった。そこへ多々良が現れ、彼女の本当の名が「フィーア」であり、アインの妹であることが判明する。多々良は自分の本拠地《黒い家(アップグルント)》が全滅していることを知り、仲間やクライアントまで手に掛けて殺し屋としての最低のルールすらも破った姉を追ってきた。
一輝は消火栓や鉄道の架線といった物を利用して撃退を図るが、B.B.の巨大化は止められなかった。だがB.Bの本質は幼い子どもでしかなかったため、アイリスの一叱りで戦意喪失する。
一方、ステラは「魔人」ナジームに対する死の予感から身体がすくみがちになりながらも、彼の右腕が地面に叩きつけられたとき、自分のみならず何万もの人々が死ぬことになると確信する。ナジームの真の能力である「乾き」は、大地そのものをそこにある全ての生命もろとも乾き尽くすものだった。そして、国際魔導騎士連盟の要請を受けた寧音が、ナジームの真上に隕石を落として右のこぶしを使わせたことで、ステラが直感した被害は未然に防がれた。
その間、ルナアイズらはオル=ゴールとの交渉を重ね、両国から5名の魔導騎士を選抜しての代表戦を行うという方針を固め、ステラ達にそれを告げた。
12巻
ルナアイズは病院を抜け出してクレーデルラントへ出向き、戦いの規模を縮小する協議を行ったことをステラ達に告げる。シリウスの決断ではたとえ連盟の増援を受けても多大な犠牲が生じる可能性が高いと踏んだルナアイズは、代表戦を当初の予定通り行う体をとれば、オル=ゴールの支配するクレーデルラント側は連盟の増援からの攻撃を受けずに済み、皇国側は民を避難させる時間稼ぎにもなると考えていた。また、最悪ヴァーミリオンが負けても皇家が滅ぶだけで民を助けることができるという考えもあった。一応は理解したステラだが、「利」よりも「自分にとっての面白さ」を重視するオル=ゴールがそれだけでこの話を受けたのだろうか、と釈然としない気持ちになり、寧音もルナアイズが何かもっと重大な「対価」を支払う約束をしたのではないかと感づくが、ルナアイズはそのことについては語らなかった。
1週間後にクレーデルラントの首都リュシェールで5人対5人のバトルロイヤル形式で両国家の存亡をかける代表戦が決まり、ヴァーミリオン側の代表のうち4人はステラ、一輝、アイリス、寧音が選ばれた。それぞれの軍勢は引き上げた。
そんな中、ステラは予想より少数とは言え国民に犠牲を出し、しかも魔人たる者たちを前に怯えることしかできなかった今の自分の力不足を嘆いていた。寧音からの「自分の身を守れる程度には鍛えてやる」という特訓の申し出を断り、ステラは魔人の領域に近づくべくエーデルワイスのいるエストニアの《剣峰》エーデルベルクを目指す。
このあまりにも無謀な挑戦に一輝とアイリスも同行した。多々良も同行することにしたが、彼女は味方になったというよりはむしろ、アインとの因縁にケリを付けたいという理由から代表戦のメンバーに入ったのであり、ステラが修行に失敗するところを笑うつもりだった。当初世界中を飛び回っているエーデルワイスに会えるかわからなかったものの、山に着いてみれば周辺には功名心から彼女の首級を狙う伐刀者たちがうろついていたことから、彼女が在宅していると判断した。
ステラの竜の飛行能力で一行は高度8000メートルの頂上近くの山小屋に到着した。現れたエーデルワイスにステラは挑もうとするが、「殺気」による威圧だけで傷を負わされるというあまりに隔絶した実力差を見せつけられただけだった。エーデルワイスも「あなたのしようとしていることは身投げと同じ」と取り合わない。一輝もまた、以前暁学園で剣を交わしたときとは比較にならない剣気を感じる。ステラはまた、無理やり押しかけた自分の無謀さを諭してくれるエーデルワイスの優しさを理解しつつも引き下がらない。降りかかる凶事は自分が強くなるのを待ってくれはしない、自分が愛する者たちを守るためには、「今この瞬間に、誰よりも強くなるしかない」ヴァーミリオン皇族の責務、国民を守る義務、そのためには命を投げ出すことも構わない、と彼女は前に進もうとする。このまま自爆するまで突っ走るだろうステラを見かねて、エーデルワイスはある対価と引き換えに挑戦を受けることにした。その対価とは、麓から登ってくるエーデルワイスの首級を狙いにやってきた伐刀者たちを代表戦前日までの5日間食い止め、6日目の朝まで持ち堪えること。それをクリアすれば挑戦を受けると。ただし、条件として同行者の一輝、アイリス、多々良はステラに助勢することはできない。その誓いを違えば心臓を引き裂かれ命を奪われることになる。そんな彼女の伐刀絶技《無欠なる宣誓(ルールオブグレイス)》に3人は契約することになる。
5合目のキャンプで登ってくる伐刀者たちを迎え撃つステラ。最初のグループを難なく蹴散らしたが、そんな彼女を多々良は「いつまで保つか」とせせら笑って見物していた。一方、一輝は山小屋でエーデルワイスお手製のお菓子で歓待されていた。そして、エーデルワイスは一輝が七星剣武祭で対戦した天音を解放軍に紹介したのは自分であると告白し、彼を救ってくれたことに深い感謝を示した。一輝は、「もしそれに恩を着せていいのなら」と剣の稽古をつけてほしいと頼む。しかし、エーデルワイスはそれよりも魔力制御の未熟を指摘、そこを鍛えることを勧める。その方法は、エーデルベルクの頂上、そこにある針のような永久凍土の切っ先で、吹きすさぶ暴風の中で「人差し指一本での逆立ち」を行うことであった。1時間その体勢をもたせることを目標に、早速鍛錬に打ち込む一輝であった。
初日が暮れる頃、早くもステラは苦戦を強いられていた。凄まじく燃費が悪い《竜神憑依》を考えなしに使っていたため、身体がガス欠を起こし始めていた。格下の伐刀者のグループにいいようにされる彼女を笑って見ていた多々良だったが、逆にイライラし始める。彼女が見たかったのはかつて自分が七星剣武祭でステラにそうされたように、《比翼》にコテンパンにされるステラであり、こんな雑魚に手こずる姿ではなかった。多々良はついにステラに「助言」を与え始める。「助勢」でなければ《無欠なる宣誓》の対象外だ。戦いの無駄を省くための助言を受けて、あっという間に戦い方のコツを掴むステラに多々良は教えがいがない呆れつつも、もしかすると自分の予想をひっくり返して見せるかもしれないと期待すら抱く。
5日目の夜、ステラは自らの炎の熱で即席の露天風呂を作り、アイリスと多々良と共に久しぶりにくつろぐ。ステラはこれまで助言してくれた多々良に感謝を示す。そして、多々良はアインを自らの手で殺すことで殺し屋としてのケジメをつけるといい、自らの生きざまへの誇りへの期待もあった。どこまでも確固たる意志を曲げない多々良に、「アンタが死んだらアタシは泣く、これでもかってくらい盛大な国葬を開いてやる」と宣言し、ステラはして死なないことを強引に約束させる。
今度はアイリスの身の上話に話題は移っていく。彼女の本当の名はアイリス=ゴールであり、10歳の誕生日を迎えた弟のオルレウス・ゴールによって操られる形で村人を皆殺しにしてしまった過去があった。彼女は一番近くにいた自分が弟の兆候を見抜けなかったことを悔やんでおり、自らの手で弟を倒すことで後悔を晴らそうとしていた。目的の一致したステラは必ずオル=ゴールを倒すことを誓い合う。
その頃、中国の「神竜寺」の武僧にして魔人の《饕餮(とうてつ)》リー・シャオリーがふもとに現れ、エーデルワイスに挑戦しようとしていた二人のプロの伐刀者を撃破するや否やあっという間に山を駆け上がり、ステラのもとへと現れる。どうせ《比翼》と戦うのだから魔人とぶつかるのはいずれも同じと敢えて艱難辛苦に挑むステラ。しかし、シャオリーの真の能力は触れた魔力の持ち主の能力を得る闘技《五兵大主》つまり「複写使い(フェイカー)」であった。彼女はステラの能力をコピーし、体術を活かし、竜の膂力をエーデルベルクの山全体に乗せることで、山の質量を技に込める《泰山》の型を打ち出す。その一撃に叩きのめされ、その後も多彩なシャオリーの体術に翻弄され、強烈な反撃を食らうばかりの展開が続く。
もはや、「竜の生命力」も尽き、満身創痍となったステラ。そこに到着したエーデルワイスが戦いを止めようとするが、そこに一輝が割って入る。一輝は、ステラがヴァーミリオンの人々のためにこのような無謀をしているのなら止めなければならないと考えていた。だが、彼はステラは自らの譲れない願い、つまり「自己(エゴ)」を貫き通すために戦っていると気づいた。ならば逆に彼女を止めようとする者全てを打ち払うと一輝は決めた。立ちふさがるならば斬るまでと、エーデルワイスは剣を一輝に突き立てる。だが、剣は止められた。一輝は今回の修行で自分のなけなしの魔力を極一点に集中する技を会得し、本来魔力が豊かな者しか成しえない魔力防御を実現してみせた。そして一輝はエーデルワイスに啖呵を切る。
一方、自信も誇りも何もかも砕かれて意識すらも朦朧とする中、ステラは自分の戦う動機がこれまで「紅蓮の皇女」としてでなく、1人の少女「ステラ」として愛して慈しんでくれた全ての人々への感謝であり、そんな人達の前では「カッコよく強い自分でいたい」という「自己(エゴ)」であることに思い至る。ただそれだけを拠り所に前に進み、剣を振るステラにシャオリーも格下の相手と見ていた考えを改め、全力を持って決着をつけることを決意する。シャオリーは四象拳奥義《麒麟功》で自らをフル強化しての一撃をかける。先手を取ったステラの意地の剣を受け止め切ったことで、彼女の魂の化身たる妃竜の罪剣が砕けたかと思ったシャオリーは勝利を確信するが、その内側から新たな大剣が顕現し、ステラはシャオリーを「山ごと」たたっ斬った。それはステラが己の運命の縛りを破り、伐刀者としての魂を新たな在り方に進化させた瞬間だった。
こうしてステラは、一輝に続いて魔人の領域に足を踏み入れる資格を得た。この修業の目的を思わぬ形で達成したステラはエーデルワイスへの挑戦を取り下げた。
13巻
14巻
寧音はナジームとの死闘の中で、結婚する前の黒乃との戦いを思い出す。崩壊した家庭に生まれ育った寧音は、中学に上がるときには西日本でも有名な悪童となっており、一度は逮捕にまで至るものの、その能力を惜しんだ「連盟」の意向で寅次郎に引き合わせられる。彼の紹介で、当時破軍学園に在籍していた《世界時計》滝沢黒乃との決闘に挑み、凄まじい執念で食い下がるも、惨敗を喫する。その敗北以来、黒乃を生涯のライバルと定め、打ち倒すために南郷に弟子入りした。
15巻
アイリスは、弟の命乞いを通じて、自分が覚醒した本当の理由が「弟を守りたい」という気持ちだったことに気づき、ステラ達を裏切るという決断を下した。
一輝は多々良の助言から未然に防ぎ得たこの事態に責任を感じ、ステラに一人でオル=ゴールを追わせ、自身はアイリスと対決することにした。
一輝はアイリスの無敵甲冑に対し模倣剣技を使い早々に技量を見破り攻撃を仕掛ける。そして王馬から盗み見た旭日一心流・天津風を進化させた天津雷光を放つ。アイリスが大量出血する中、シリウスはアイリスはまだ倒れておらず、魔力の差がある一輝はアイリスには勝てないという。一輝もアイリスの強さを改めて実感し、追影を使おうとするが、七王剣舞祭の決勝戦を見ていた彼女も同じことを考えており、一輝はなかなか技を出せずにいる。
やがて彼女が抜刀絶技の強化再生を使い始めたことで不利に立たされ、ヴァーミリオンの人々も一輝の棄権を望む。後10分でアイリスの強化再生は一輝が追いつかないレベルに身体強化される。だが、一輝は彼女を弟から遠ざけるための時間稼ぎとして、あえて彼女の攻撃を凌ぎ続けていた。仮に10分後に一輝を倒せても弟がステラに殺されていれば彼女にとっては意味がない。やがて彼の真意に気づいた彼女は一撃に勝負をかけることにした。そして、一輝は一刀羅刹を使用しアイリスの無敵甲冑ごと叩き切り、罪人である弟を守るために自分の命を省みず死を選んだ彼女に敬意を払い、死ぬ瞬間まで倒れかけた体を支え続けた。
こうして、黒鉄一輝は〈落第騎士〉、〈無冠の剣王〉、〈七星剣王〉に変わり、彼の生涯の大半を共にすることになる〈剣神〉という二つ名で呼ばれるようになる。
一方、別の場所で逃走を図っていたオル=ゴールはステラに追いつかれる。その際、彼は姉の優しさへの感謝を示すばかりか笑うばかりだったため、ステラの怒りを買う。彼はクレーデルランドの兵士を操り逃れようとするが、ステラはあえて手出しをしなかった。そこへシリウスら援軍が駆けつけてオル=ゴールの策を挫いた。その隙にステラはオル=ゴールの両手両足を斬り、身動きを取れなくした後、空中にいたクレーデルランド王のヨハンのところまで投げ飛ばした。そして、ヨハンの一撃によりオル=ゴールは落命したかに思われた。
ところが彼には自分の肉体の死によって発動する伐刀絶技「死霊遊戯(ダンスマカブル)」という切り札があり、ステラはその糸に捕まってしまう。彼は得意げに自分の生い立ちを語りながら、ステラを縊り殺そうとする。
そこに一輝や寧音も加勢するが二人とも前の試合で消耗しており、防衛するのに徹することしかできない。そこで、ステラを捕らえていたオル=ゴールの右手を切りステラを解放すると、ステラが戦線に復帰できるまでの1分間足止めを開始した。しかしこの作戦は一輝自身の命を引き換えにステラにオルゴールを倒させるもので、一輝は初めから死を覚悟していた。一輝に別れの言葉を告げられたステラは必死に自分の回復速度を上げる。しかしステラが動けるようになったと同時に一輝はオル=ゴールに仕留められてしまう。
オル=ゴールはステラの目の前で一輝の亡骸を破壊し、一輝を死なせた原因は、ステラが自分を死んだと見誤ったためだと精神的に追い込む。死んでなお痛めつけられる一輝を見て、耐えられなくなったステラは人間性と引き換えに《覚醒超過》を起こす。オル=ゴールは精神が壊れたステラを見て喜びさらに追い込もうと操ろうとしたが、ステラは覚醒超過をしてもなお意識を保っていた。そして生き残るという約束を破り自分を置いて死んだ一輝に怒りを爆発させその感情を、一輝の亡骸にぶつけた。その怒りがステラをまだ「人間」の域にとどまらせていた。
そこにキリコの代理として珠雫が現れ、修行で身に着けた死者蘇生の抜刀絶技《青色世界》を使い一輝の修復を始めた。珠雫を信じ、正気を取り戻したステラは味方の指揮をとり、ついにオル=ゴールとの一撃勝負に持ち込む。その時、一輝が死ぬ前にオル=ゴールとの攻防の中で用いた剣撃《第五秘剣・狂い桜》が発動してオル=ゴールの身体は崩れ、ステラに追い打ちをかけられる。オル=ゴールが断末魔の叫びの中で自分の不幸を嘆くなか、ステラは愛してくれる姉がいたのに誰も愛さなかったオル=ゴールに責任があると言い放つ。こうして、戦争は幕を下ろした。
病室の中で一輝は目を覚まし自分が生きていることに驚いた。約束を破られたことから今なお不機嫌なステラから、珠雫が直してくれたことや、彼が「死んでいた」間の戦争の出来事を聞きみんなの無事に安心する一輝。一方、珠雫は一輝に自分の細胞を貸した代わりに身体が小さくなっていた。また、貸した細胞を一輝から取ると珠雫は元のサイズに戻るが、今度は一輝が元の身体を維持できなくなり、小学6年生の姿に戻ってしまった。一輝が元に戻るには半年を要するという。
珠雫はAランクに昇格した一方、一輝のランクは上がらなかったものの、KOK4位のアイリスを倒したことで注目を集めた。また、彼の身の安全を確保するため、アイリスの義母である国際魔導騎士連盟フランス支部長のレヴィ・アスカリッドの希望により、彼のバックにフランスがつくことになった。
一輝を治療していた珠雫はステラを置いて死ぬことを決断した一輝に初めて冷たく怒った。一輝は珠雫に怒られたことで、改めて自分のした事を反省し、ステラに許しを請うた。ステラの怒りは収まらない…と思いきや、珠雫が自分が言いたかった事を言ったことと一輝が無事だったことの安心で怒りはすでに収まっていた。仲直りをした矢先、ステラの両親が登場する。母から幽衣が空港にいることを告げられたステラは病院を後にし、本人に会いに行く。彼女は珠雫の治療によって命を取り留めたが身体の部位を多く失い、車椅子に乗っていた。ステラは多々良に暗殺者を引退して自身の近衛兵に雇うと誘うが断られてしまう。それでも諦めないステラに折れた多々良は自分の名刺を渡し、いずれ会う事を誓ったことでステラは落ち着いた。
一方、解放軍の本拠地に大同盟国隊長・アメリカの〈超人〉エイブラハム・カーターが現れ、その場にいた月影と風祭父娘らに「今というこの瞬間、この場所に立つ貴様らは世界(ステイツ)の敵か味方か」という言葉をかけてきた。
16巻

世界中の政府関係者および職員たちはオル=ゴールの支配から解放されたとたんに昏倒したため、社会としての機能が著しく低下してしまった。日本においては特別招集という形で諸星ら学生騎士たちが駆り出された。

そのさなか、龍馬がかつて封印した魔人・《大炎》播磨天童が解放され、学生騎士たちの前に立ちはだかる。
17巻
天童は刀華を《覚醒》に導くため、自分を打倒させる状況に追い込むべく、九州全土を巻き込んだ伐刀絶技を発動する。
一方、東京では騎士連盟が迫りくる米軍の迎撃準備をしていた。
18巻
天童の脅威は去った。一方東京では騎士連盟が米軍に押されていたが、一輝たちが増援にかけつける。そんな中、伐刀者にして世界的な科学者であるカール・アイランズは自らの悲願である「完全なる人類」の誕生を成就すべく、その母体としてステラを拉致する。
19巻
水の魔術の名手でもあるアイランズは、未来の一輝に化け、自分のラボに殴りこんできた一輝らを迎撃する。慢心によって肉体を破壊されたアイランズは、ステラの身体に埋め込んだ自分の霊装「ダーウィン」の一部を介して彼女を操る。
アイランズは一輝やエーデルワイスの猛攻に曝されたうえ、ステラも珠雫によって解放されてしまい、「ダーウィン」のかけらも燃やされてしまう。
とうとう追い詰められたアイランズは日本とヴァーミリオン皇国に向けて戦術核兵器を飛ばそうとするが、ラボに乱入してきたシャオリーの急襲を受け、とどめを刺される。

登場人物

破軍学園

黒鉄 一輝(くろがね いっき)
- 逢坂良太[5]藤井ゆきよ(幼い一輝)
本作の主人公。破軍学園1年1組。10年に1人の劣等生と蔑まれる最低のFランク騎士。二つ名は『落第騎士(ワーストワン)』、後に『無冠の剣王(アナザーワン)』『七星剣王(しちせいけんおう)』『剣神(けんしん)』。固有霊装は刀型の「陰鉄」。
高ランク騎士を輩出する名家・黒鉄家に生まれるも、その劣った才能故にまるで「存在しない」かのように扱われる幼少期を過ごすが、曽祖父・黒鉄龍馬との出会いによって生きる目標を見つけ、騎士を志す。その後は黒鉄家を出奔し中学生時代は道場破りをしながら各地を巡る生活を送り、破軍学園に入学するも黒鉄家からの圧力で設置された能力値選抜制により授業を受けることすら認められずに1年を過ごすが、翌年に新理事長となった新宮寺黒乃が能力値選抜制を廃止したことでようやく授業を受けられるようになった。そのため初年度は留年している。また、七星剣武祭優勝が卒業条件とされている。
剣の道に生き、またその境遇ゆえに危険を顧みずストイックすぎる一面もあるが温和で礼儀正しい好青年。容姿も良いことから騎士として名声を得るに従って女性からの人気も高くなっているが、恋愛面では極めて鈍感な上、あくまでステラ一筋である。
魔力量が平均の1/10程度である上に、能力である「身体能力の倍化」も平凡なものだが、様々なトレーニングで磨き上げられた超人的な剣技を含む卓越した戦闘技術や精神力、身体能力を持ち、体技の一点においてはトップクラスの判定を受けている。
幼少時代は技を教えてもらうことすらできなかったため、他人の剣を見て盗むことを続けた結果、優れた観察眼を手に入れ、目にした剣術をごく短時間で模倣し昇華させる『模倣剣技(ブレイドスティール)』、他者の思考回路の根底に根ざす「絶対価値観(アイデンティティ)」を把握して対象の行動を読み取る『完全掌握(パーフェクトビジョン)』といった能力を得るに至っている。『模倣剣技』によって様々な剣術や武術を習得しているほか、オリジナルの剣技として7つの「秘剣」を持つ。また、魔力制御能力も非常に高く、魔力・能力を「全力」で使用することができる。
身体能力倍化の能力も、絶え間ない修行により通常なら2倍しか倍化しないところを大幅に引き上げられるようになっており、1分間数十倍に引き上げる伐刀絶技『一刀修羅』、派生として1分間ではなくただの一振り程度の時間に凝縮する『一刀羅刹』を使用する。これらの使用には1日かけて魔力を満タンにしておかねばならず、発動後の中断も不可能であり、効果が切れた後はしばらくまともに動けないほどに消耗する。
七星剣武祭の決勝戦で自身の可能性の全てを使い果たすに至ったが、ステラのライバルでいられなくなることへの反発とステラの恋人・ライバル・目標全てが自分でありたいという独占欲によって、《魔人》になった。
身体技術・剣技は超人の領域であるが、魔力制御能力は更なる飛躍が可能であると《比翼》のエーデルワイスに指摘され、彼女の修行で魔力制御能力も超人の領域へ至った。
ステラ・ヴァーミリオン
声 - 石上静香[5]
本作のヒロイン。一輝のルームメイトで、後に恋人となる。破軍学園1年1組。ヨーロッパの小国ヴァーミリオン皇国の第二皇女。二つ名は『紅蓮の皇女』。固有霊装は大剣型の「妃竜の罪剣(レーヴァテイン)」。
十年に一人の逸材とされるAランク騎士であり、新入生平均の三十倍の魔力量を有する。膨大な魔力を活かし、多少の攻撃なら単なる魔力での防御で無効化できる。決め技である伐刀絶技「天壌焼き焦がす竜王の焔(カルサリティオ・サラマンドラ)」を始めとして炎を扱うが、実は本来の能力は「ドラゴンの特性を体現する」というものであり、物語が進むにつれて多彩な能力を開花させていった。一方、能力の使用には魔力だけでなくカロリーの消費も必要であるため、いくら食べても太らないという体質はこれに関連する。また、幼少期から自分の能力の制御に苦心してきた経緯があり、自分を才能だけで生きてきたと見る者や圧倒的な才能の前にひれ伏して努力を諦めてしまう者を嫌う。
ヴァーミリオン皇国に伝わる皇室剣技も完璧に使いこなす一方、未熟だと指摘されることもあり、一輝からは「燃料無限の超高機動重戦車」と称されている。また、肉体能力は規格外というわけではなく、当初は全力疾走での20kmのジョギングにかなり苦痛を感じていた。
出自や実力相応にプライドが高く勝ち気な一方、父に溺愛されて育ったためか世間知らずの天然ボケでもある。加えて性的好奇心が異様に強い一方、知識は偏っている。
黒鉄 珠雫(くろがね しずく)
声 - 東山奈央[5]
一輝の妹。破軍学園1年1組。二つ名は『深海の魔女(ローレライ)』。固有霊装は小太刀型の「宵時雨」。
幼少期から伐刀者としての能力を発現していたため周囲から甘やかされていた一方、実の兄である一輝だけからは対等に接してきたため、兄に対して強い愛情を持っている。兄以外に対しては興味がなく距離を置きがちだが、ルームメイトの有栖院には心を開いている。ステラのことは一輝の恋人として認めているが、姑として何かと文句をつけたり挑発的な言動をとっていることも多い。
水や氷を操ることができ、特に魔力制御に関してはAランク並とされる。治癒魔法も得意としている。伐刀者としては標準的な範囲の武術も身に着けている
有栖院 凪(ありすいん なぎ)
声 - 浅沼晋太郎[5]
珠雫のルームメイト。破軍学園1年4組。二つ名は『黒い茨(ブラックソニア)』、または「黒の凶手」。固有霊装は短剣型の「黒き隠者(ダークネスハーミット)」。
男の身体に生まれた乙女を自称するDランク騎士で、「アリス」と呼ばれることを好む。面倒見が良く気のいい人物だが、冷徹で達観した一面もある。
影の中に一時的あるいは長期的に潜む、相手の影に霊装を突き刺すことで動きを封じるなど、影に干渉する能力を持つ。
その正体は「解放軍」のメンバーであり、「暁学園」の一人として破軍学園に送り込まれていたが、珠雫を裏切れないという思いから最終的に解放軍を裏切る。七星剣武祭への出場権を獲得していたが、この一件の後に辞退している。
元は北欧育ちの孤児であり、有栖院凪という名前も本名ではなく、孤児時代には「アリス」とだけ呼ばれていた。
綾辻 絢瀬(あやつじ あやせ)
声 - 小林ゆう[6]
破軍学園3年1組で、一人称はボク。非伐刀者ながら日本屈指の剣士とされた「最後の侍(ラストサムライ)」綾辻海斗の娘で、綾辻一刀流の後継者であるDランク騎士。固有霊装は刀型の「緋爪(ひづめ)」。
内気で異性と接するのが苦手。剣士として伸び悩んでおり、スランプを克服すべく一輝に剣術の弟子入りをする。海斗を重体にして道場を奪った倉敷蔵人へのリベンジのために七星剣舞祭出場を目指している。
剣士としては一輝に遠く及ばないものの、霊装でつけた傷を開く能力を持ち、わずかな傷でも与えられればそれを致命傷に変えることができる。また、空間に刀傷を付けて後から開くことでその場にかまいたちを発生させる伐刀絶技「風の爪痕」も使う。
日下部 加々美(くさかべ かがみ)
声 - 相坂優歌[6]
一輝とステラのクラスメイト。新聞部に所属しており、ジャーナリストを目指している。ステラを負かした一輝に興味を持ったことから彼らと親しくなり、時には一輝達の依頼を受けて伐刀者の情報などを調べる。取材のためには手段を選ばず、色仕掛けを使うこともある。
伐刀者としての能力は明らかになっていないが、9巻では分身の能力を使って警備をすり抜け表彰台に上がっていた一輝とステラのツーショット写真を撮っている。
桐原 静矢(きりはら しずや)
声 - 松岡禎丞[6]
昨年度の首席入学者にして、去年の七星剣武祭代表の一人であるCランク騎士。破軍学園2年3組。二つ名は『狩人』。固有霊装は弓型の「朧月(おぼろづき)」。
自身を完全にステルス化する強力な伐刀絶技・狩人の森(エリア・インビジブル)を持ち、狩人の森を攻略できない相手を必要以上にいたぶって勝利する一方で狩人の森と相性の悪い広範囲攻撃を使う相手とは一切戦わず棄権するために、騎士らしからぬという意味で「狩人」の二つ名を与えられている。性格は非道かつ小心者。昨年度の一輝のクラスメイトであり、学校側の意向に従って一輝への攻撃に参加していたこともある。容姿は良く前回の七星剣武祭出場者ということもあって女子にはそれなりにモテていたが、一輝との選抜戦で切られそうになった際に情けなく命乞いするところを見せてしまったため、この一戦を機に多くの女子から見限られている。1巻から以降全く登場していないが、寧々から「狩人の森は対人最強の伐刀絶技」と評されており、一輝も七星剣武祭準決勝で東堂刀華・ステラ・ヴァーミリオンに並ぶ強敵と認めている。

生徒会執行部

東堂 刀華(とうどう とうか)
声 - 金元寿子[6]
破軍学園生徒会の会長。学園最強の騎士にして、昨年度の七星剣武祭ベスト4。学年は3年3組。固有霊装は刀型の「鳴神(なるかみ)」。
雷系の能力を有するBランク騎士。破軍学園序列第1位。幼い頃両親を亡くしたことで体調管理にはうるさく、生徒会においては母親のような存在である。天然でそそっかしいところがあり、動揺すると訛りが出る。寅次郎の弟子の一人であり、剣士としても一流で、普段の性格に反して剣士として強敵との戦いを望む側面もある。
二つ名の「雷切」は、自身の伐刀絶技っである電磁抜刀術に由来する。このほかにも相手の体に流れる微細な伝達信号を感じ取って心を読む「閃理眼(リバースサイト)」といった技を持つ。一方、技の中には「稲妻」[注 2]や建御雷神(タケミカヅチ)[注 3]など、身体への負担がかかるものもある。
御祓 泡沫(みそぎ うたかた)
声 - 潘めぐみ[6]
破軍学園生徒会副会長を務める3年生。二つ名は『観測不能(フィフティ・フィフティ)』。
人を食ったような性格の少年。刀華とは養護施設「若葉の家」で育った幼馴染。破軍学園の中ではただ一人の《因果干渉系》のDランク騎士で、自分の力や行動で可能な範囲の事象の結果を自在に操ることができる。ただし、身体能力が非常に低く、自身の力で100%どうしようもないような事柄に対処できない。
貴徳原 カナタ(とうとくばら かなた)
声 - 日笠陽子[7]
破軍学園生徒会会計。学年は3年3組。二つ名は『紅の淑女(シャルラッハフラウ)』。固有霊装はレイピア型の「フランチェスカ」。
破軍学園序列第2位のBランク騎士。学生の身分ではあるが「特別招集」という形で実戦の現場にも参加し、様々な犯罪阻止を壊滅させてきた。
伐刀絶技の「星屑の剣(ダイヤモンドダスト)」は空気中に散らした目に見えないほどの細かく砕いた愛剣の欠片を自在に操り、それを吸い込んだ敵を内側から切り刻むもの。返り血が多いため常に傘を持ち歩いているらしい。
実家は貴徳原グループという財閥であり、色々な業界に顔が利く。なお、泡沫や刀華が幼少期を過ごした養護施設「若葉の家」も貴徳原の管轄である。
兎丸 恋々(とまる れんれん)
声 - M・A・O[7]
破軍学園生徒会庶務。学年は2年2組。固有霊装はナックルダスター型。二つ名は『速度中毒(ランナーズハイ)』。
破軍学園序列第3位のCランク騎士で、ボーイッシュな性格をしている。動きを止めない限り自分にかかる速度を累積して無限に加速し続ける伐刀絶技「マッハグリード」を使い、積み重ねたマッハ速度を打撃のエネルギーに転化させた一撃を放つ。
砕城 雷(さいじょう いかづち)
声 - 竹内良太[7]
破軍学園生徒会書記。固有霊装は斬馬刀型。二つ名は『城砕き(デストロイヤー)』。
破軍学園序列第4位のCランク騎士で、古風な性格をしている。伐刀絶技「クレッシェンドアックス」は、馬刀を振り回し続けることで放つ斬撃の破壊力を数tにまで高めるに効果がある

学園関係者

新宮寺 黒乃(しんぐうじ くろの)
声 - 東内マリ子[6]
破軍学園の理事長。喫煙者。二つ名は『世界時計(ワールドクロック)』。元KOK・A級リーグ選手で、元世界ランキング3位。固有霊装は二丁拳銃の「プロパトール」と「エンノイア」。
長らく七星剣武祭で優勝者を出していない破軍学園を立て直すために就任し、能力値選抜制を廃止して、トーナメント方式を採用するなど大改革を実施した。
既婚者かつ子持ちであり、結婚を機にKOKを引退した。旧姓は「滝沢」。
時間を操る能力の使い手で、周囲の時間を停止させたり時間を巻き戻すことで破壊された物を修復したりできる。七星剣武祭では、その能力で観客の保護や生命の危機に陥った出場者の救命を行っている。
没収試合となった過去の七星剣武祭で、寧々との再戦を望んで自らを鍛え魔人になる目前まで辿り着いたが、覚醒することで交際相手だった琢海との出会いや過ごした時間が壊れることを危惧し、魔人となるのを止めた過去を持つ。
彼女の伐刀絶技「時空崩壊(ワールドクライシス)」は特定の空間に二度と修復できない攻撃を与えるもので、その危険性から使用時には連盟の許可を要する「禁技指定」という制限を受けている。
西京寧音(さいきょう ねね)
声 - 井口裕香[6]
KOK世界ランキング3位の伐刀者にして、魔人の一人。固有霊装は2対の鉄扇型の《紅色鳳(べにいろあげは)》。
重力を操る自然干渉系の能力を持ち、相手にかかる重力の操作だけでなく、膨大な重力のエネルギーを投擲物として扱うといった応用もできる。武術の技量も超一流であり、上記の能力と組み合わせることで無類の強さを発揮する。
幼少期は母親の再婚相手から常に暴力を受けながら育つも、伐刀者である寧音にとっては然程苦にはならず、慕っていた母親も暴力に耐え続けてきたことから、最初の内は我慢していた。しかし、ある日夕食で大好物のハンバーグを踏みつぶされたことで我慢の限界を超え、義父を撲殺する。その後母親も失踪し家庭が崩壊したことで理性のタガが外れ、愉悦のままに暴力を振りまくようになってしまい、そんな暴力を楽しむ姿が「夜叉姫」という二つ名の由来となっている。
一度は逮捕されるものの、連盟の意向で寅次郎に引き合わせられたのち、黒乃とも出会う。その黒乃に負けて以来、彼女を生涯のライバルと定め、打ち倒すために寅次郎の弟子となり、過酷を極める特訓を経てその力を高めていった。そのため、黒乃が結婚と共にKOKを引退したときには激しいショックを受けた。また、師匠の寅次郎に対しては口汚く反抗的な態度をとることが多いが本心では敬愛しており、着物や天狗下駄を着用しているのも彼の真似である。
七星剣武祭の直前にはステラに弟子入りを乞われ、寧音からは何も教えないという条件でこれを承諾。容赦のない訓練でステラを追い詰め、《絶対強者》としての自負と傲慢さを持つことを気付かせ、概念干渉系《ドラゴン》の開花に導いた。
折木 有里(おれき ゆうり)
声 - 橘田いずみ[6]
一輝やステラの担任であるCランクの騎士で、周囲から「ユリちゃん」と呼ばれている。二つ名は『死の宣告(ジョリーロジャー)』。固有霊装はカットラス型。
一輝が学園に入学する際に試験官を務めた人物で、一輝の恩人の一人。
明るい性格をしている一方、きわめて病弱であり、自身の苦痛を周囲の人間に無差別に与える伐刀絶技「血染めの海原(ヴァイオレットペイン)」を使う。その体質上、自身の痛みを相手と共有する技との相性が非常によく、常人なら即座に失神するほどの苦痛を与えることができる。
南郷 寅次郎(なんごう とらじろう)
声 - 麦人
寧音や刀華の師匠である《魔人》の1人で、『闘神』の異名を持つ。特殊な呼吸法と歩法によって相手に自身の存在を認識させなくする「抜き足」の使い手。
龍馬の生涯のライバルと称された男であり、中国で行われている最高クラスの伐刀者の大会・闘神リーグを制した唯一の日本人である。
一輝と刀華の選抜戦を観戦して以降、一輝に強い関心を持っている。

その他の生徒

真鍋(まなべ)
声 - 柳田淳一
破軍学園に通う不良グループのリーダー。固有霊装は銃型。
アニメでは時系列や経緯が変更され、「女性にモテるのが羨ましかった」として他の生徒共々一輝に弟子入りを志願し、彼に敬意を払うようになる。
月夜見 半月(つきよみ はんげつ)、三日月(みかづき)、満月(まんげつ)
声 - 赤﨑千夏[7]
破軍学園の生徒である三姉妹。放送部の部員として、七星剣武祭代表選抜選の実況を務めた。解説を務めるはずの寧音が人形を置いて場を離れることが多いため、困っている。
桃谷(ももたに)
声 - 川上晃二
破軍学園の生徒。二つ名は『ヘビータンク』。甲冑型の固有霊装を装備しているため素顔は不明。七星剣武祭代表選抜選のステラの初戦の相手。異能はゴリアテから放たれるヘビーチャージだが、勝ち目がないと悟り戦わずして敗れた。
大日向 瑞樹(おおひなた みずき)
破軍学園の生徒。3年生。アフロ髪。昨年の七星剣武祭代表の一人で、二刀流の使い手。
葉暮 桔梗(はぐれ ききょう)、牡丹(ぼたん)
破軍学園の生徒である、3年生の双子の姉妹。今年度の七星剣武祭代表に選ばれた。桔梗はCランクの槍使い。牡丹はDランク2丁拳銃使い。
実力は決して低くはないが他の代表ほどではなく、「暁学園」による襲撃の後、自信を失って出場を辞退した。

武曲学園

諸星 雄大(もろぼし ゆうだい)
昨年度の『七星剣王』であり、元々の二つ名は『浪速の星』。固有霊装は槍型の「虎王」。
陽気でフレンドリーな関西人で、初戦の相手となった一輝に対しても実家のお好み焼き屋「一番星」に招待し、万全の状態で戦うことを望んだ。
小学生時代から将来を嘱望されていたものの、大規模な電車事故によって両足を失っており、破損した四肢の再生を当時研究していたキリコの協力を得て絶大な苦痛を伴うリハビリを乗り越えて復活を遂げた過去を持つ。
体術を主体としておりその人物像に反して計算高く周到な戦いを持ち味とする。超高速の三段突き「三連星」を得意技としているほか、追尾技の「ほうき星」や、あらゆる魔力を無効化する金色の魔力光を放つ伐刀絶技「暴喰(タイガーバイト)」を有する。
城ヶ崎 白夜(じょうがさき びゃくや)
昨年度の七星剣武祭準優勝者。理知的な性格で、対戦相手の情報の蒐集に余念がなく、『天眼』という二つ名を持つ。
半径50m以内の物体を自在に転移させることができる伐刀絶技「白い手(ゴッドハンド)」を使ったリングアウト勝ちが七星剣武祭における主戦術。ただし、動いている人間などは一度固有霊装による攻撃を当てなければ転移させることができない。
浅木 椛(あさぎ もみじ)
昨年度の七星剣武祭第3位。二つ名は『鬼火』。
炎使いの伐刀者であり、命中させた炎を相手に纏わせ続ける技を得意とする。また寅次郎の弟子の一人でもあり、「抜き足」を習得している。

暁学園

黒鉄 王馬(くろがね おうま)
一輝の兄。長髪で眉間を中心とした×字状の傷がある。『風の剣帝』の二つ名で知られる、日本人の学生では唯一のAランク騎士。固有霊装は野太刀型の「龍爪」。
「騎士としての強さ」のみを追い求めており、伐刀者として最大級の才能を持つステラを宿敵として期待をかける一方、才能の欠如を技術で補う一輝の戦いは「小手先の技」「ペテン」として軽蔑している。一方で一輝の側はそれを知った上でも彼のストイックな姿勢を尊敬している。また、七星剣武祭以降は一輝のことを彼なりに気にかけている様子もある。
真剣勝負を求めて中学生から現在までの5年間、表舞台での戦いに一切参加せず、各地を放浪する中で《暴君》[注 1]に挑むも一方的に敗れて恐怖を味わっていたところ、エーデルワイスに助けられる。その後《魔人》を目指し、その一環として「風によって自身の肉体に凄まじい負荷をかけ続けたまま戦い続ける」という常軌を逸した修行を積むことで強靭な肉体を手に入れた。
後に《超人》エイブラハム・カーターと戦闘になり、かつての敵と同一であると気付き、勝利した。
なお、暁学園に加わったのは月影総理の招請によるもので、「解放軍」とは無関係である。
紫乃宮 天音(しのみや あまね)
一輝のファンを自称する少年で、全戦不戦勝で巨門学園の代表の座を手にしたことから『凶運(バッドラック)』の二つ名を持つ。固有霊装は剣型の「アズール」。
望んだことが何でも勝手に叶う伐刀絶技「過剰なる女神の寵愛(ネームレス・グローリー)」を持つが、願いが叶うまでに何が起こるかは自分でもコントロールできないため、周りからは何をやっても能力のおかげだと妬みや恐れを抱かれ、実の母親も能力の恩恵を目当てに愛情を注いでいたことを思い知らされ、誰からも居ない者のように扱われる幼少期を過ごす。そのため普段は無邪気なふうに振る舞っているがその精神は歪みきっている。一輝のことも自分と同様の境遇でありながら、他者に認められているということで憎悪しており、彼の邪魔をするためだけに暁学園の生徒になった。
戦闘技術は素人同然だが、「過剰なる女神の寵愛」の効果により、繰り出す攻撃の一つ一つが致命的なラッキーヒットとなり、自分に対する攻撃はあらゆる要因によって失敗させられる。
また、これとは別に殺意を黒い手として具現化させた「死神の手」という技もあり、こちらに触れた無機物は瞬く間に風化し、生物に当たれば死に至る。
サラ・ブラッドリリー
暁学園の生徒で、普段は「マリオ・ロッソ」という覆面画家として活動している。二つ名は『血塗れのダ・ヴィンチ』(禄存学園に在籍していたころは『万華鏡(カレイドスコープ)』)。固有霊装は筆とパレットの二つで構成された「デミウルゴスの筆」。
実力を隠していたが、真の実力はAランク。
一心不乱に絵を描き続けた父親が遺した未完成の絵を完成させることを人生の目的としており、一輝をそのために必要なモデルとして執拗に追いかける。生まれつき重い病を患っており、治療目的で「解放軍」に協力している。すでに治療を受けてある程度回復しているが、それでも常人に比べると極めて虚弱。
絵を描くこと以外への関心がなく、常に絵具除けのエプロンしか着用していない。
特定の色のイメージに沿った効果を発現させる伐刀絶技「色彩魔術(カラー・オブ・マジック)」、描いたものを現実化する伐刀絶技「幻想戯画(パープル・カリカチュア)」を使い、「幻想戯画」は「一刀羅刹」をも使用可能な一輝のコピーを複数体同時に出現させることすらできる。
多々良 幽衣(たたら ゆい)
「解放軍」の凶手として育てられた少女で、『不転』の二つ名を持つ。固有霊装はチェーンソー型の「地摺り蜈蚣」。
その生い立ちゆえ、動体視力や集中力が高い。
伐刀絶技である「完全反射」(トータルリフレクト)は相手の力を利用し、あらゆる攻撃を反射できる一方、利用出来る力がなければ威力は大幅滅する。
また、「星の槌(アストラルフォース)」は宇宙を駆ける星の力(公転運動)を僅かでも敵へ向けて逸らすことで、その力の残滓を鉄槌として敵を打ち砕くが、その実態は単なる自爆技に過ぎない。
風祭 凛奈(かざまつり りんな)
日本でも有数の財閥のお嬢様。父親が解放軍の重鎮であるために協力しているが、本人は解放軍の構成員ではない。また、サラが彼女の父の養子となっているため、サラとは義理の姉妹の関係にある。
作中の漫画「黄昏の魔眼」に影響を受けており、片目にカラーコンタクトを入れ眼帯で隠している。同様の理由から難解で仰々しい言い回しを多用したがり、メイドのシャルロットの通訳が必要となっている。二つ名は『魔獣使い(ビーストテイマー)』。暁学園は偽名を名乗っている人物が多いとされるが、彼女は本名である。
固有霊装「隷属の首輪」を他者に着けさせることでその人物を霊装として扱い、自身の魔力を非伐刀者に与えることで伐刀絶技を使用させることができる。
スフィンクス
凛奈が飼っている黒いライオン。「隷属の首輪」を着けており、咆哮と共に対象の動きを強制的に停止させる伐刀絶技「王者の威圧(キングス・プレッシャー)」を使うことができる。
シャルロット・コルデー
風祭家に仕えるメイド。普段は落ち着いた物腰だが、凛奈に対して行き過ぎた忠誠心を抱いており、彼女に近づく者には凄まじい憎悪を向ける。
「隷属の首輪」によって、花弁状のバリアを展開する伐刀絶技「一輪楯花」を使うことができる。この技は一度に大量に展開することができ、防御だけでなく、収束させて剣にしたり、飛び道具として投擲するといった多様な使い道を持つ。
平賀 玲泉(ひらが れいせん)
仮面を着けた男。二つ名は『道化師』。固有霊装は糸状の「地獄蜘蛛の糸(ブラックウィドウ)」。
固有霊装を介して無機物・有機物を問わず操ることができる『人形師』であり、技の一つである「操り人形(マリオネット)」は、操る相手の能力を強制的に引き出すこともできる。
非道な行為を喜んで行う、暁学園の中でも飛び抜けて邪悪な人物。
その正体はオル=ゴールの作った人形であり、平賀玲泉という人間は存在していない。

その他の七星剣武祭出場者

倉敷 蔵人(くらしき くらうど)
声 - 細谷佳正[6]
貪狼学園の3年生で、貪狼学園のエースにして、昨年度の七星剣武祭ベスト8のCランク騎士。固有霊装は鉈型の「大蛇丸」だが、伐刀絶技「蛇骨刃」によって蛇腹剣の如く自由自在に可変させることができ、間合いを自在に操れるために『剣士殺し(ソードイーター)』の二つ名を持つ。
道場破りで海斗を倒し、綾辻一刀流の道場を乗っ取った事で絢瀬にとっての仇敵となる。他人に暴力を振るうことを厭わない一方、根からの悪人ではなく、道場を懸けた一輝との勝負の後には素直に道場を返し、それ以来一輝をライバルと認め、七星剣武祭で一輝との再戦を待ち望み修行を積む。
一輝達が参加した七星剣武祭では海斗との地獄の訓練を経て、二刀流になり大蛇丸の形状も西洋の剣のように両刃型に変化している。
伐刀者としての能力とは別に、常人では有り得ない0.05秒の反応速度を出せる特異体質「神速反射(マージナルカウンター)」を有する。
薬師 キリコ(やくし キリコ)
白衣の騎士』の二つ名を持つ廉貞学園の3年生の伐刀者で、普段は騎士ではなく医師として活躍している。
水使いとしての能力は極めて高く、騎士として本格的に活動すれば間違いなくAランク判定を受けられるほどと評されている。技の一つである「視診」(ドクタースコープ)は、右目に魔力を貯め、相手の血圧やホルモンバランスなどを見極めるものである。
加我 恋司(かが れんじ)
禄存学園の学生。身長236cm・体重370kgという高校生離れした容姿をしている。二つ名は『鋼鉄の荒熊(パンツァーグリズリー)』。固有霊装は廻し型の「雷電」。
見た目通りの豪快な人物で、強い北海道訛りで話す。小学生時代からリトルリーグで活躍しており、王馬や諸星とも面識がある。
全身を鋼鉄に変化させる伐刀絶技「鉄塊変化」を使う。
鶴屋 美琴(つるや みこと)
巨門学園の学生で、年度の七星剣武祭ベスト8の一人。二つ名は『氷の冷笑』。固有霊装はモノクル型。実利的な考えの持ち主で、つためならばルールに反しない程度の卑怯な戦術は辞さない。目の焦点を合わせるだけでその地点の周囲の温度を絶対零度にまで下げられる伐刀絶技「死神の魔眼(サーティン・アイズ)」の使う。

その他の黒鉄家関係者

黒鉄 龍馬(くろがね りょうま)
声 - 有本欽隆[6]
一輝の曾祖父にあたり、一輝の目標にして恩人でもある。第二次世界大戦で日本を勝利へと導いた《大英雄》であり、「サムライ・リョーマ」として世界的に有名だった。
《魔人》の一人であり、世界最強最高の水使い。固有霊装は二対の刀であった模様。
《暴君》との戦闘の末、自身の固有霊装の一本を生贄に《暴君》の魂に永遠の停止を与え、彼を討伐した。それにより、引退することになる。遭難した幼少期の一輝を救った数か月後に亡くなっている。彼があまりにも偉大で革新的な人物であったため、彼の息子である玄馬は龍馬に反発して黒鉄家当主として規律の厳格化を徹底的に行い、それを自身の息子である厳にも徹底教育した。
黒鉄 厳(くろがね いつき)
声 - 速水奨
一輝や珠雫の父。黒鉄家現当主であり、国際魔導騎士連盟日本支部長。
黒鉄家の一人息子として自我が形成されるより前から当主となるべく育ったため、家としての方針を守ることに凝り固まっており、一輝に対して人間として一切の期待をかけず、騎士となり中途半端に大成することすらも害であると考えている。一方で親としての情も持ってはいるが、徹底して公人としての自分を優先しているためにそれが表に出ることはない。
能力値制度の裏には息子のような人間が騎士として成功したとしても、Fランク相当の騎士では普通の拳銃でも致命傷を負いかねないが故に、息子を始め資質に恵まれなかった同様の人間を守るために線引きを設けたという事実があったが、それを差し引いても娘からは心底嫌われ、あまりに無感情故にステラも一輝の実の親ではないと疑ったことがある。
赤座 守(あかざ まもる)
声 - 大川透
黒鉄家の分家筋に属する伐刀者で、連盟の倫理委員会代表を務めていた。バトルアックス型の固有霊装を使う。
昇進のために一輝を査問会で徹底的に追い詰めた上で晒し者にして永久追放しようとしたが、最終戦の相手である刀華が敗北したことで目論見が崩れて錯乱し、自らの手で一輝を始末しようとしたところをステラに制裁され、一連の騒動の責任を取らされて連盟から失脚した。

ヴァーミリオン皇国

アストレア・ヴァーミリオン
シリウスの妻でありステラの母親、ヴァーミリオン皇国王妃。娘よりも幼く見える歳不相応な容姿で、おっとりとした可愛らしい言動をするが、シリウスは彼女に頭が上がらない。
有事の際には、自国を優先する合理性の持ち主ながら、結局はシリウスの無茶ぶりに振り回される形で、その決断を尊重する。
ルナアイズ・ヴァーミリオン
ステラの姉、ヴァーミリオン皇国第一皇女。ステラとは対照的にクールな性格をしている。性格はアストレア以上に合理を重んじ王族の責任感が強く、幼馴染のヨハンが学生という身分に浮ついて道を踏み外しかけたのを痛烈な平手打ちで引き戻した。
クレーデルラントの争乱では自国を優先し、単身オル=ゴールの元へ赴き、彼が望む悪魔の通貨を支払う形で代表選の体裁を整え、国民が国外に出る猶予を勝ち取るが、それでも国民は「自分達なりにできることをする」と国内に留まり続け、後に成長したステラの姿を見て、ヴァーミリオンの未来を切り開く真の王が誕生したことを確信し、自らは王位継承権を放棄することを決意し、同時に責任感で覆い隠していたヨハンの気持ちを吐露させ、心身ともに傷ついた彼を傍で支えていきたいと初めて自分の気持ちに正直となった。
シリウス・ヴァーミリオン
声 - 堀秀行
ステラの父親で、ヴァーミリオン皇国の国王を務めており、厳とは旧知の仲である。娘には過剰なほどの愛情を注いでおり、ステラの留学の際には反対を貫いた末に一時的に国王でありながら投獄までされてしまった。
ステラに結婚を申し込んだ一輝のことを公式に認めはしたが、内心では納得できておらず、一輝がヴァーミリオン皇国を訪れた際には彼同様ステラを愛する全国民を秘密裏に扇動し、国ぐるみで一輝を襲撃した。そのことが露見した際にはステラに絶縁されかかっている。
かつては「紅蓮の荒獅子」と謳われた伐刀者だったが、現在は加齢で衰えているようで左目はほとんど見えていない。
アニメでは、原作でも本名が判明する前であったため「ヴァーミリオン国王」表記。
本来は、情義に篤い好漢で、アニメでは厳の一輝に対する振る舞いを「大人の事情に子供を巻き込むな」と赫怒したり、友国のクレーデルラントの危機には迷うことなく手を差し伸べ、上記のように疎んでいた一輝を、彼の行動に触れ、ルナアイズに嵌めれた形でした約束を履行しようとし、頑なだったルナアイズが初めて、ヨハンの傍にいたいと本心を吐露した際には、背中を押す度量の持ち主。
ダニエル・ダンダリオン
国際魔導騎士連盟ヴァーミリオン支部長を務める老人。ヴァーミリオン皇国では剣技指南役も務めており、皇族からの信頼も篤い。固有霊装はフルーレ型の「ライオンハート」。
視線の合った相手に逃走不能の1対1の戦いを強要する伐刀絶技「血戦(ブラッドサークル)」を用い、有利な地形で勝負を挑んだとはいえ、七星剣武祭で大幅に力を高めた一輝と剣術で渡り合えるほどの実力者。

その他の連盟所属の登場人物

月影 獏牙(つきかげ ばくが)
日本の現総理大臣で、国際魔導騎士連盟の脱退を掲げて支持を集めている。「七星剣武祭を崩壊させる」という目的のために暁学園を創設し、名うての暗殺者を「解放軍」に金を払い雇い入れ、そこの生徒にした。元教師であり、黒乃はその頃の教え子にあたる。
伐刀者であり、固有霊装「月天宝珠」を使って過去を見ることができるが、その事実は秘匿されている。まれに過去ではなく未来の自分が見た光景を見せる場合がある。
海江田 勇蔵(かいえだ ゆうぞう)
七星剣武祭運営委員会の会長。現役時代は『裁きの雷』という異名でOK・A級リーグで活躍したており40代以上のファンから高い支持を得ている。
牟呂都(むろと)
七星剣武祭の解説を務める騎士。
片足が義足であり、一度は諸星と同様に再生治療を受けたが挫折している。
飯田(いいだ)
七星剣武祭の実況を務めるアナウンサー。
アイリス・アスカリッド
KOK世界ランキング4位に位置する『黒騎士』。固有霊装の全身鎧「無敵甲冑(オレイカルコス)」は「不屈」の概念を宿し、鎧を装備した人間に無尽蔵の回復能力をもたらす。必要に応じて装備を部分的に外すこともできるので、装備を貸し与えることで怪我の治療にも使える。
本名はアイリス=ゴール。弟のオルレウス=ゴール(オル=ゴール)や家族と共にフランスの小さな村で暮らしていたが、オルレウスが10歳になった時に起こした事件で操られ、両親を含む村の住民全員を、その手で惨殺させられる。その後は連盟の追手の足止めに使われ鎮圧されるが、その直後に覚醒し魔力切れまで足止めを続けさせられた。後に連盟で保護されたが、精神は取り返しようもないほどに疲弊し崩壊寸前な中、後の養母となるレヴィ・アスカリッドから敢えて追い詰めるような言動で叱咤され、自分のすべきことを再認識、オル=ゴールの悪魔のような本性を見破れなかったことに責任を感じ、オル=ゴールを止めることが自分の使命だと考えている。
実は彼女が覚醒した本当の理由は弟を守るためであり、そのために限界を超えてでも自分を操るオル=ゴールの要求に応え続けていた[注 4][注 5]
ヨハン・クリストフ・コールブランド
ヴァーミリオン皇国の隣国、クレーデルラントの王子。国内唯一のBランク伐刀者であり、「黄金の風」の二つ名を持っている。
ヴァーミリオン皇国との戦争に備え、他の参加者4人と共に調整をしていたところをオル=ゴールに襲撃され敗北。
オル=ゴールに操られる形で現クレーデルラント王を殺害し、自らが新しいクレーデルラントの王になった。
アーサー・ブライト
《連盟》の本部長を務める騎士で、KOK世界ランキング1位にランクインしている。二つ名は《白髭公》。
第二次世界大戦当時は英国軍の主力として従軍しており、大戦の元凶が《暴君》による洗脳であることを看破。龍馬や南郷といった、自身が特に信頼する伐刀者と秘密裏に連携し、《暴君》を倒して大戦を終結に導く。その後も、裏社会の暴走を防ぐための必要悪として「解放軍」を存続させる、《連盟》加盟国間の調和のために戦争にルールを設けるなどして、世界の均衡のために尽力した。

解放軍

アダムス・ゲーティア
かつて世界最強として知られた伐刀者にして《魔人》の一人でもあり、『暴君』の二つ名を持つ。
世界を裏から支配すべく、自らの能力を用いて世界の国々の上層部を洗脳して第二次世界大戦を引き起こした。《白髭公》アーサー・ブライトに気付かれ、龍馬や寅次郎など彼が率いる伐刀者と秘密裏に戦いになる。最終的に龍馬に敗れ、魂を凍結停止させられ死亡した。
《超人》エイブラハム・カーターは彼のクローンであり、彼由来の魔力と能力を持つ。
《解放軍》成立以前に死亡しているものの、罪を犯した伐刀者をまとめて監視しやすくする目的で、ブライトらによって死を秘匿され、彼を旗本に解放軍は成立した。彼のクローンであるエイブラハム・カーターが《暴君》に扮している。
ビショウ
声 - 野島健児
テロ組織「解放軍」の一員であり、非伐刀者を指揮する「使徒」の伐刀者。固有霊装は指輪型の「大法官の指輪(ジャッジメントリング)」で、左手で攻撃を無効化し、右手で無効化した攻撃を反射するという能力の使い手。この二つの効果をそれぞれ「罪と罰」と称している。
ヤキン
声 - 山本格
ビショウの手下。女子供にも容赦しない気の荒い性格。
ヴァレンシュタイン
「解放軍」の重鎮、「十二使徒(ナンバーズ)」の一人である壮年の男で、有栖院やオル=ゴールを解放軍に迎え入れた張本人でもある。二つ名は『隻腕の剣聖』。
その剣技に加えて、摩擦を操作する能力によって相手の攻撃を弱め、自分の攻撃はあらゆる防御を破らせることができる。
オル=ゴール
《魔人》の一人で、『傀儡王』の二つ名を持つ。固有霊装は糸状の「地獄蜘蛛の糸(ブラックウィドウ)」。
平賀玲泉を操っていた大元の人物であり、平賀以外にも1000を超える操り人形を全世界に配して同時に操っている。
人格は平賀同様、人の不幸や苦しみを見て喜ぶ邪悪そのもの。七星剣舞祭で平賀を倒されたことをきっかけとしてステラに執着を見せており、彼女を絶望の淵に陥れるために全ての操り人形の操作を打ち切り、解放軍まで捨て生身で活動を開始する。
以前はアスカリットら家族4人で暮らしており、本来のフルネームは、オルレウス=ゴール。村の住民に好かれる社交的な人物だったが、10歳の誕生日に自らの手で姉のアイリスを操り、村の人間全員を始末した。この際、一人一人違う殺し方をする、家族も容赦なく手にかけるなど、すでに自身の残忍さが現れていた。
ナジーム・アル・サーレム
砂漠の死神(ハブーブ)』の二つ名を持つ《魔人》の伐刀者。手に触れた物の水分を蒸発させる能力を持ち、あまりにたくさんの人々を殺したことから、「死」の概念を体現するに至り、《覚醒超過》により絶大な力を持ち、《白髭公》アーサー・ブライトに匹敵する実力を持つ。
オル=ゴールが解放軍を抜けた際、クレーデルランドを陥落させた後に自分をその国の王にすることを条件にオル=ゴールと共に解放軍を離反した。
アイン
多々良と同じ暗殺者育成機関出身の伐刀者で、 『悪の華(ダーディローズ)』の二つ名を持つ。生物の生命力を養分とする花を相手に植え付ける能力を持つ。
ナジームと同様に解放軍を離反した。
B. B
解放軍がどこかで拾った5歳の子供で、アインについていく形で解放軍を離反している。伐刀者としての能力を開眼しており、全身を巨大化させる能力を持つ。
アイリスの話ではB. Bとは「Big Baby」の略称とのこと。
風祭晄三
解放軍の重鎮で、凛奈の父。

同盟

エイブラハム・カーター
同盟の盟主を務める伐刀者で、『超人』の二つ名を持つ。
その正体はゲーティアのクローンである。魔人ではないものの、魔人クラスの魔力と《暴君》由来の能力を持つ。
同盟の盟主でありながら、解放軍の《暴君》役も行い世界の均衡に貢献してきた。
フー・シャオリー
饕餮(とうてつ)』の二つ名を持つ中国の《魔人》。触れた魔力の持ち主の能力を得る《五兵大主》を使う。
「神竜寺」の武僧で「闘神」の称号に最も近いと言われる四人の仙人(魔人)、「四仙」の一人。中国の武が世界一であることを証明するために戦っている。
他流試合を禁じた神竜寺の「五禁」の戒めを破ったため、普段は神竜寺に幽閉されていたが、抜け出している。

その他の登場人物

綾辻 海斗(あやつじ かいと)
声 - 斧アツシ[7]
「最後の侍(ラストサムライ)」の異名を取る非伐刀者の剣客。綾辻一刀流道場の師範。道場破りの倉敷蔵人に敗れて重傷を負い長らく意識不明の状態にある。
非伐刀者でありながら、犯罪者の伐刀者逮捕に貢献したこともあるらしく、珠雫によると伐刀者でないことを惜しまれた剣士とのこと。
心臓の病気を患い、剣士として衰える一方であった自分に対して全力で挑みかかってきた蔵人には内心で感謝しており、回復後には蔵人に自らの技を授けている。
ユーリ
有栖の幼少期の親友。有栖と同様に伐刀者であり、生き抜くために有栖と幾たびも殺し合いをしたが、ある日から力を合わせて孤児達の面倒を見ることを決意する。性格は、有栖とは正反対のボーイッシュな性格をしている。
市長からストリートチルドレン狩りの依頼を受けたマフィアに殺されてしまい、彼女の死が有栖の解放軍への道を進むきっかけとなる。
エーデルワイス
《魔人》の一人で、『比翼』の二つ名を持つ。固有霊装は二対の剣「テスタメント」。「契約」を司る因果干渉系の伐刀者であり、テスタメントの前で誓いを立てた者の心臓に楔を打ち込み、契約に反した者の命を奪う「無欠なる宣誓(ルールオブグレイス)」を使う。
十五年前、連盟非加盟国だったエストニアに侵攻した《同盟》と、それに対抗した《連盟》の両軍を一人で叩き潰した事から指名手配を受け、両勢力による追跡を逃れている。その十年後にエストニアが《連盟》に加入した際、エストニアは彼女が住むエーデルベルク周辺の領有権を放棄、一人の剣士を相手に一国が領土を捨てて逃げ出したことで、「世界最強の剣士」と呼ばれるに至った。
初速・終速の概念がなく初動から最大速度で動くことができるという独特の剣術により絶対的な強さを誇り、二刀流の剣がまるで翼のように見えることから《比翼》と呼ばれている。また、あまりにも極まった剣技により、大気が彼女に斬られたことに気付かず、暫くの間斬撃がその場に残り、地面を通して、相手に直接触れなくとも浸透勁を撃ち込むこともできる。
《魔人》としての引力も圧倒的であり、彼女の引力によって、最低限《魔人》でないと、斬る必要なく相手の運命をねじ曲げ斬撃を浴びせられる。
暁学園による破軍学園襲撃の際に一輝と交戦した際に剣技を盗まれた。一方、天音を暁学園に紹介したのも彼女であり、自分では救えなかった彼の心を救ってくれた一輝に感謝している。
甘いもの好きが祟って太ってしまった際のダイエットが剣を持つきっかけであり、偶然にも天賦の才能を持っていて、気が付けば最強になっていたとの事。その為、自分が何のために剣を振るうのか、その答えとなる騎士道を探し求めており、明確に剣を持つ理由がある一輝やステラを羨んでいる。
彼女に剣を教えたのは日本人らしく、エーデルベルクの山頂付近の彼女の家にはその者の写真が飾られており、故人となった今でも師として慕っている。
諸星 小梅(もろぼし こうめ)
諸星雄大の妹。おかっぱ頭で兄同様陽気な少女だが、自分が「遊園地に行きたい」と言い出したことが電車事故で兄が両足を失う遠因となり、気を病んで失声症になってしまい、雄大が再起を志すきっかけとなった。後に、一輝と兄の試合で、兄を応援しようとした際に声を取り戻した。
播磨天童
大炎の異名を持つ魔人。

技一覧

黒鉄一輝

七つの秘剣
犀撃
烈甲
蜃気狼
狂い桜
毒蛾の太刀
雷光
天津雷光
追影/終の秘剣
無刀取り
天衣無縫
比翼の剣技
角王
抜き足
完全掌握(パーフェクト・ヴィジョン)
模倣剣技(ブレード・スチール)
陰鉄
一刀修羅
一刀羅刹
剣鯨(イッカク)
かち割り

ステラ・ヴァーミリオン

妃竜の罪剣(レーヴァテイン)
妃竜の息吹(ドラゴン・ブレス)
天壌焼き焦がす竜王の焔(カルサリオ・サラマンドラ)
妃竜の羽衣(エンプレス・ドレス)
妃竜の大顎(ドラゴン・ファング)
煉獄竜の大顎(サタン・ファング)
焦土蹂撃(ブロークンアロー)
熱霞幕(フレイム・ベール)
暴龍の咆哮(バハムート・ハウル)
竜震脚(ドラゴン・スタンプ)
龍妃巢穴(ドラゴン・ネスト)
妃竜の羽翼(ドラゴン・ウイング)
龍神憑依(ドラゴン・スピリット)

黒鉄雫

宵詩雨
障波水蓮
水牢弾
凍土平原
白夜結界
緋水刃
血風惨雨
青色幻夢
青色輪廻
青色世界

有栖院凪

黒き隠者
影縫い(シャドウ・バインド)
日陰道(シャドウ・ウォーク)
隠者の家(シャドウ・スポット)
鳥獣戯画(シャドウ・ビースト)

用語

伐刀者(ブレイザー)
己の魂を固有霊装として顕現させ、魔力を用い、異能の力を操る千人に一人の特異存在。重い社会的責任を背負うこととなるが、代わりに元服制度が適用され、15歳で成人となり、飲酒や結婚などが認められている。
黒鉄家
かつて日本の大英雄・黒鉄龍馬を輩出した日本の魔導騎士社会で最も強い発言力を持つ一族。
一輝の破軍学園業を妨害したのは、表向きは「名家からFランクを輩出するのは恥だ」としているが、実際は「一輝のような例外を許すと一輝のように低ランクでありながら魔導騎士になろうとする第二・第三の落第騎士が誕生し、魔導騎士社会の秩序が乱れるため」である。
固有霊装(デバイス)
伐刀者の魂を具現化した装備で、「霊装」と略記されることもある。魔力で出来ており、激しい戦闘を行っても基本的に破損することはないが、破損すると精神に大きなダメージを受ける。一概に武器の形をしているわけではなく、その形は様々。
他者に一切の肉体的損傷を与えず精神にのみダメージを与える「幻想形態」とすることが可能。
魂の形が変わるほどの経験を積むことで、形状が変化することがある。
魔力
伐刀者としての異能を用いるための精神エネルギー。総魔力量は努力では伸ばせず、その人間が生まれ持った運命の重さに比例するといわれる。
実際、総魔力量の多い人物の方が、得意分野において、総魔力量の少ない人物よりも最終的な到達点が高く、これは剣技・芸術等魔力に関係のない分野も同様である。
伐刀絶技(ノウブルアーツ)
固有霊装を媒介として発動する、伐刀者の能力の総称。
魔導騎士制度
国際魔導騎士連盟の認可を受けた学校を卒業したものにのみ『免許』と『魔導騎士』という立場を与え、能力の使用を許可する制度。日本には認可を受けた学校は7校ある。各校に在籍している生徒は『学生騎士』として扱われる。
暁学園
七星剣武祭を崩壊させるために創設された国立学校。「解放軍」の関係者など、各方面から優秀な伐刀者が集められ、各学園に送り込まれている。
解放軍(リベリオン)
世界で最も有名な犯罪組織。伐刀者を『選ばれた新人類』とし、それ以外の人間(非伐刀者)を『下等人類』と位置づけ、伐刀者による『下等人類』の支配、『伐刀者は力ない民衆を守るべし』とする社会構造の破壊を目論んでいる。
その思想的に一般では伐刀者の組織だと思われているが、実のところ、構成員の大半は『信奉者』と呼ばれる解放軍の掲げる世界秩序に賛同する非伐刀者であり、『使徒』と称される伐刀者はほんの一部で、一部の伐刀者が非伐刀者を兵士として指揮するという部隊運用で活動している。
iPS再生槽(アイピーエスカプセル)
四肢の切断や臓器の損失程度であればたちどころに再生させることができる治療設備。一般には普及していないが、騎士はその責務ゆえに気軽に利用することが許されている。
運命
人間が生まれながらに許されている可能性。
階段に例えると、生涯で歩ける歩数は全人類共通で、個々の努力・やる気等によって歩く速度が変化し、一歩で登れる段数は総魔力量に比例する。そのため、現段階において、総魔力量の少ない人物の方が高い位置にいたとしても、最終的な到達点は総魔力量の多い人物の方が上になる。
ただし、可能性を使い尽くすには努力を数十年間続けなければならず、極一部以外の人間は最終的な到達点・可能性の終着点に至ることなく生涯を終える。
魔人(デスペラード)
運命によって定められた才能の限界を打ち破った者。自らの可能性限界を強烈な自己(エゴ)によって打ち破り、神の静止を振り切り、運命の鎖を引き千切る《覚醒(ブルートソウル)》に至った者のみ辿り着ける領域とされる。
この領域に辿り着いたものは、運命の輪から外れ、運命をなぞるのではなく、自ら運命を切り開く存在となるが、逆に運命に護られることがなくなり、生涯平穏が訪れることはなくなる。また、研鑽次第で魔力すら高めることが可能となると言われている。
更に、世界に対して強固な自己(エゴ)を発揮し、他者の運命をそこに引き寄せる引力を発する。この引力は同じ《魔人》でないと抗えず、仮に捕らえられると因果関係を無視してその《魔人》の描く未来へを運命を書き換えられてしまう。
また、自己(エゴ)によって、より魂を剥き出しにすることで、《覚醒超過》という状態になり、肉体が魂に引っ張られ、理性を失い、人間からかけ離れた姿となる代わりに、固有霊装(デバイス)と一体化し、絶大な力を得ることもある。
この領域への至り方は二つ。一つは常軌を逸した研鑽を重ねることによって自らの才能・可能性の限界に至り、それを打ち破る方法。もう一つは、自らの才能・可能性の限界では絶対にどうすることもできない状況を強いられ、生きるために仕方なくそれを打ち破る方法。どちらにしろ運命の鎖を引き千切るほどの異常な自己(エゴ)を必要とする。
二つ目の方法で《覚醒》する場合は研鑽を必要としないため、幼い子供でも可能であるが、より魂が不安定になり、犯罪行為に走ったり、《覚醒超過》を起こしたりしやすくなる。
「限界を超えることは可能」という事実そのものが、才能の限界を超えさせるための非人道的な計画につながりうるとして、その存在はほとんどの人間に対して秘匿されている。
作中で判明している《魔人(デスペラード)》は、一輝、ステラ、寧音、黒乃、寅次郎、エーデルワイス、アイリス、オル=ゴール、ナジーム、シャオリー、《白鯨》ことダグラス・アップルトン、天童、龍馬、ブライト、ゲーティアの15名。
うち《覚醒超過》を行ったのは一輝とステラ、寧音、ナジーム天童の5名。

制作背景

本作のコンセプトは「異能バトルでスポーツモノ」である。海空は『断罪のイクシード』で受賞して以来、同レーベル作品の『無限のリンゲージ』(あわむら赤光/著)のような「試合を勝ち上がり、成り上がっていくスポーツ形式の物語」を執筆したかったと話している[8][4]海空りくは2020年から2022年に刊行した『カノジョの妹とキスをした。』(以下:『いもキス』)では初心から一貫してやりたいことをまっすぐに貫けたのに対し、10年にわたる長期シリーズとなった本作ではライブ感の中で作品を執筆し続けるという意味では『いもキス』とは全く違っていたと、2023年のインタビューの中で話している[4]

最初の構想では打ち切りラインとみなしていた3巻の校内戦を区切りとして想定してた一方、その先に当たる七星剣武祭までの物語についてははっきりしていなかった[4]。初期からの登場人物のうち、蔵人は企画の時点では単なるチンピラとして設定されていたが、ドラマ性を強化したことにより熱い男となった[4]。一方、同じく暁学園関係者である有栖はもともと胡散臭いところのある人物として設定されており、もし七星剣武祭まで物語を進めることができたら、彼女に焦点を当てようとしていたとも話している[4]。3巻の時点で長期シリーズ化が視野に入るほどの売れ行きだったことに加え、メディアミックス化も決まっていたため、多忙な中でのセッティングとなった[4]。同様の理由から、諸星や暁学園の関係者も3巻以降に構想された[4]

七星剣武祭以降の物語は海空にとっても未知の領域であり、キャラクターが勝手に動き出して主張したり、自身もそのような思いに駆られたと振り返っている[4]。また、9巻以降は戦場の様々な要素を利用した一輝の強さを描くこともあり、一対一のバトルにはない魅力を描けた例としてヴァーミリオン戦役編の終盤を挙げている[4]。また、ヴァーミリオン戦役編について海空はそこまで大変ではなかったと話しており、エーデルワイスや多々良の伏線の回収もできて楽しかったと振り返っている[4]。また、この物語の重要人物であるアイリスをお気に入りとして挙げており、彼女の人生を描けた楽しさや、書き切ったという感覚を持つことができたと振り返っている[4]

16巻と17巻にかけて描かれた大炎編も、既存のキャラクターを多数登場させられたほか、七星剣武祭で戦ったライバルたちの近況が描けて楽しかったとしている[4]。半面、一輝とステラがいない中で強敵である大炎にどう立ち向かうべきか当時の担当編集者と話し合うなど、すごく悩んで苦労したとも話しており、最終的にはその大役を刀華が担うことになった[4]。また、この物語では諸星の強靭な精神力が物語を運ぶ上でのエンジンとしても役立ったととも話しており、彼の英雄に対する解釈への回答としては良い着地点だったとも受け止めている[4]

海空は影響を受けた作品の一つとして『はじめの一歩』を挙げている[4]。ボクシング漫画である同作は、リングの上で双方の生い立ちを手札として出しながらドラマを作るという手法が取られており、これについて海空はたがいに焦点が当たる分キャラクターの掘り下げがしやすい点が気に入っていると話す一方、自作におけるバトルシーンが長くなる一因としても挙げている[4]。また、バトルにおいては場面の動きだけでなく、心の動きも一緒に追うようにしているともいう[4]

既刊一覧

小説

海空りく(著) / をん(イラスト) 『落第騎士の英雄譚』 ソフトバンククリエイティブ→SBクリエイティブ〈GA文庫〉、全20巻

巻数 初版第一刷発行日 発売日 ISBN
1 2013年7月31日 2013年7月13日[9] 978-4-7973-7468-1
2 2013年10月31日 2013年10月15日[10] 978-4-7973-7548-0
3 2014年1月31日 2014年1月15日[11] 978-4-7973-7641-8
4 2014年4月30日 2014年4月15日[12] 978-4-7973-7720-0
5 2014年8月31日 2014年8月12日[13] 978-4-7973-7754-5
6 2014年12月31日 2014年12月15日[14][15] 978-4-7973-8031-6
978-4-7973-8135-1(立体マウスパッド付き限定版)
零(短編集) 2015年3月31日 2015年3月14日[16] 978-4-7973-8290-7
7 2015年5月31日 2015年5月15日[17] 978-4-7973-8352-2
8 2015年10月31日 2015年10月15日[18][19] 978-4-7973-8470-3
978-4-7973-8471-0(ドラマCD付き限定特装版)
9 2015年12月31日 2015年12月15日[20] 978-4-7973-8514-4
10 2016年4月30日 2016年4月15日[21] 978-4-7973-8731-5
11 2017年1月31日 2017年1月14日[22] 978-4-7973-8943-2
12 2017年4月30日 2017年4月15日[23] 978-4-7973-9198-5
13 2017年10月31日 2017年10月13日[24][25] 978-4-7973-9317-0
978-4-7973-9355-2(ドラマCD付き限定特装版)
14 2018年4月30日 2018年4月12日[26] 978-4-7973-9586-0
15 2018年10月31日 2018年10月11日[27] 978-4-7973-9901-1
16 2019年4月30日 2019年4月15日[28] 978-4-8156-0244-4
17 2019年11月30日 2019年11月15日[29] 978-4-8156-0382-3
18 2020年6月30日 2020年6月12日[30] 978-4-8156-0643-5
19 2023年12月31日 2023年12月15日[31][32][33] 978-4-8156-2167-4
978-4-8156-2166-7(画集付き特装版)
978-4-8156-2354-8(画集&タペストリー付き特装版)

漫画

海空りく(原作) / をん(キャラクター原案) / 空路恵(作画) 『落第騎士の英雄譚』 スクウェア・エニックス〈ガンガンコミックスオンライン〉、全11巻

巻数 初版発行日 発売日 ISBN
1 2014年12月12日[34] 978-4-7575-4493-2
2 2015年3月13日[35] 978-4-7575-4605-9
3 2015年5月13日[36] 978-4-7575-4637-0
4 2015年10月14日[37] 978-4-7575-4755-1
5 2015年12月11日[38] 978-4-7575-4824-4
6 2016年4月13日[39] 978-4-7575-4944-9
7 2016年10月13日[40] 978-4-7575-5091-9
8 2017年1月12日[41] 978-4-7575-5216-6
9 2017年6月13日[42] 978-4-7575-5340-8
10 2017年10月11日[43] 978-4-7575-5496-2
11 2018年4月12日[44] 978-4-7575-5651-5

あやかわりく・天神うめまる・矢島Index・伊東宏峰・流ひょうご(作画)、SBクリエイティブ〈GA文庫〉、全1巻

タイトル 初版発行日 発売日 ISBN
落第騎士の英雄譚アンソロジー feat.ステラ 2014年12月31日 2014年12月15日[45] 978-4-7973-8220-4

テレビアニメ

2015年10月より12月までAT-Xほかにて放送された[46]SILVER LINK.にとっては初の他社との共同制作作品となる。

制作

原作者の海空りくは初めてのアニメ化ということで印象的なことが多く、最初から最後まで楽しかったと振り返っている[4]

演技・キャスティング

一輝たちのクラスメイトである日下部加々美役には、相坂優歌が起用された。海空は、もともと明るい加々美に相坂の声が付いたことですごくかわいくなり、原作よりも出番が増えたと振り返っている[4]

スタッフ

  • 原作 - 海空りく[7]
  • キャラクター原案 - をん[47]
  • 監督 - 大沼心[7]
  • シリーズディレクター - 玉村仁[7]
  • シリーズ構成 - ヤスカワショウゴ[47]
  • キャラクターデザイン - 小松原聖[7]
  • プロップデザイン - 明珍宇作[7]
  • デバイスデザイン - 高瀬健一[7]
  • アクションディレクター - 大平剛生[7]
  • 色彩設計 - 山口真奈美[47]
  • 美術監督 - 古賀徹[7]
  • 3DCGディレクター - 濱村敏郎[7]
  • 撮影監督 - 廣岡岳[47]
  • 編集 - 坪根健太郎[47]
  • 音響監督 - 明田川仁[47]
  • 音楽 - 中川幸太郎[7]
  • 音楽制作 - フライングドッグ[47]
  • 音楽プロデューサー - 石川吉元[48]
  • プロデューサー - 黒澤典弘[48]、中山卓也[48]、長瀬奈津子[48]、柳村努[48]、深尾聡志[48]、柏木豊[48]→礒谷徳知[48]、伊藤将生[48]
  • アニメーションプロデューサー - 中川二郎[48]
  • ラインプロデューサー - 中村浩士[48]、鬼塚康介[48]
  • アニメーション制作 - SILVER LINK. / Nexus[7]
  • 製作 - 「落第騎士の英雄譚」製作委員会[7]

主題歌

「アイデンティティ」
酒井ミキオ作詞・作曲・編曲・歌によるオープニングテーマ。第1話ではエンディングテーマとして、第12話では挿入歌として使用。OPアニメーションの一部は、ストーリーの進行に合わせて変更されている。
波羅蜜恋華
ALI PROJECTによるエンディングテーマ。作詞は宝野アリカ、作曲・編曲は片倉三起也
「覚醒の無意識」
酒井ミキオ作詞・作曲・編曲・歌による第12話挿入歌。

評価

アメリカのアニメ評価サイト「Anime Trending」が主催した「第2回 Anime Trending Awards」ではBEST IN SOUNDTRACK部門で6位を獲得居ている[49]

各話リスト

話数サブタイトル脚本絵コンテ演出アクション作監作画監督総作画監督
第1話落第騎士 I ヤスカワショウゴ玉村仁高瀬健一小松原聖、松岡秀明
村上竜之介、武本大介
山本亮友
小松原聖
第2話落第騎士 II 澤井幸次横田一平中西和也野田康行、よち野田康行、よち
小松原聖
第3話落第騎士 III 大沼心大沼心
井上圭介
高瀬健一山本亮友、野澤吉樹小松原聖
第4話落第騎士 IV 徳本善信中西和也明珍宇作、中西和也野田康行、よち
小松原聖
第5話皇女の体験 河鍋 俊二瓶 勇一のがみかずお高瀬健一石堂伸晴、能海知佳小松原聖
第6話剣士殺し I 徳本善信中西和也北原大地野田康行、よち
小松原聖
第7話剣士殺し II 猪爪慎一細田直人高村雄太高瀬健一Cha Myoung Jun、飯飼一幸
小島えり、大塚渓花
佐藤このみ、三井麻末
関口雅浩、古川英樹
小松原聖
第8話剣士殺し III 澤井幸次山本亮友、橋口隼人
野澤吉樹、松岡秀明
緒方厚、柴田志朗
第9話皇女の休日 ヤスカワショウゴジミー・ストーンジミー・ストーン
徳本善信
中西和也明珍宇作、よちよち
野田康行
第10話深海の魔女 VS 雷切 河鍋俊徳本善信よち、中西和也
明珍宇作、北原大地
第11話無冠の剣王 I 猪爪慎一二瓶勇一福多潤高瀬健一野澤吉樹、山本亮友
北原章雄、さのえり
松岡秀明
小松原聖
第12話無冠の剣王 II ヤスカワショウゴ澤井幸次徳本善信
大沼心
中西和也
高瀬健一
よち、野田康行
中西和也、明珍宇作
北原大地、山本亮友
小松原聖
よち
野田康行

放送局

日本国内 テレビ / 放送期間および放送時間[50]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 [51] 備考
2015年10月3日 - 12月19日 土曜 23:00 - 23:30 AT-X 日本全域 製作参加 / CS放送 / リピート放送あり
2015年10月5日 - 12月21日 月曜 0:30 - 1:00(日曜深夜) TOKYO MX 東京都
月曜 1:05 - 1:35(日曜深夜) テレビ愛知 愛知県
月曜 23:30 - 火曜 0:00 サンテレビ 兵庫県
2015年10月9日 - 12月25日 金曜 23:30 - 土曜 0:00 BS11 日本全域 BS放送 / 『ANIME+』枠

BD / DVD

発売日 収録話 規格品番
BD DVD
1 2015年12月25日 第1話 - 第2話 MFXN-0031 MFBN-0025
2 2016年1月27日 第3話 - 第4話 MFXN-0032 MFBN-0026
3 2016年2月24日 第5話 - 第6話 MFXN-0033 MFBN-0027
4 2016年3月23日 第7話 - 第8話 MFXN-0034 MFBN-0028
5 2016年4月27日 第9話 - 第10話 MFXN-0035 MFBN-0029
6 2016年5月25日 第11話 - 第12話 MFXN-0036 MFBN-0030
BOX 2017年11月29日 第1話 - 第12話 MFXN-9004 -

Webラジオ

石上静香と東山奈央の英雄譚RADIO』のタイトルで2015年10月2日から2016年1月15日まで音泉アニメイトTVにて配信されたWebラジオ番組[52]で略称は『キャバラジ』。毎週金曜日に更新、全15回。パーソナリティは石上静香(ステラ・ヴァーミリオン 役)と東山奈央(黒鉄珠雫 役)が務めた。

音泉のスペシャルCD企画「<音泉>のオリジナルキャラクター、またはキャッチコピーを考えて!」にて、<音泉>オリジナルキャラクター部門で当番組が考案したキャラクター(おとね、いずみこ)が採用され、賞金10万円を獲得した[53]。賞金を番組運営費に充てることにより、2016年2月12日に特別回(SP回)の配信を実現させた。

2016年3月27日に発表された第2回アニラジアワードにおいて、「BEST FEMALE RADIO 最優秀女性ラジオ賞(新人枠)」を受賞した[54]

コーナー
ふつおた
アニメ、ラジオの感想など、普通のお便りを紹介するコーナー。
天壌焼き焦がす竜王の焔(カルサリティオ・サラマンドラ)
リスナーからの恥ずかしい体験談を紹介するコーナー。紹介したメールは、石上がステラに成り切って必殺技名(コーナー名)を叫んで燃やしてくれる場合がある。
破軍高校壁新聞・今週の見出し!
リスナーの身の周りの出来事を新聞の見出し風にして発表するコーナー。
ヨソはヨソ、ウチはウチ
リスナーから家庭内や仲間内でのローカルルールを募集して紹介するコーナー。
珠雫のお兄様ポエム
リスナーから珠雫が秘密裏に書いていそうなポエムの内容を募集して発表するコーナー。
次回の進行役はどっち
番組末尾に行われるパーソナリティ同士による対決コーナー。勝ったパーソナリティは"ご主人様"、負けたパーソナリティは"下僕"となり、下僕役が次回配信回で番組の司会進行役となる。
ゲスト
ラジオCD・DJCD
Vol. 発売日 新規録り下ろし特別版ゲスト 過去配信回 商品番号
ラジオCD「石上静香と東山奈央の英雄譚RADIO」
1 2016年1月27日 金元寿子(東堂刀華 役) 01回 - 第06回 TBZR-0603/0604
2 2016年3月30日 浅沼晋太郎(有栖院凪 役) 07回 - 第15回 TBZR-0615/0616
DJCD「石上静香と東山奈央の英雄譚RADIO」ステラと珠雫の妄想デートCD
- 2016年1月27日 - - TBCD-0612

ゲーム

スマートフォンGREEにて2015年末にソーシャルカードゲームが配信されていた[55]。年齢制限付き。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ a b 実際には《暴君》に扮したエイブラハム・カーター
  2. ^ 自分の周りに電磁力を発生させ、引力と斥力を利用して通常より早い剣の攻撃を繰り出す反面、手首への負担が大きい
  3. ^ 電磁力のトンネルを作り、自身がレールガンとなって相手に突進する。まだ未完成の技で、使用後は電気の反動で筋肉が痙攣して動けなくなってしまう。
  4. ^ レヴィ・アイリスが追い詰めるような言動でアイリスを叱咤したのも、彼女の覚醒した本当の理由に薄々気付いており、両親を含む村の住民全員を惨殺した弟を守ろうとしたアイリスの意志に、アイリス自身が苦しまないようにするためだった
  5. ^ 多々良も殺意の真贋に関するプロの視点から、アイリスがオル=ゴールを止めようとする理由に「理屈っぽい話」「オル=ゴール個人に対する純粋な『怒り』がなかった」と指摘しており、彼女のオル=ゴールへの殺意が『感情(ホンモノ)』ではなく『理屈(ニセモノ)』であると結論づけた。

出典

  1. ^ a b 『このライトノベルがすごい!2014』宝島社、2013年12月4日、128頁。ISBN 978-4-8002-1954-1。 
  2. ^ “シリーズ累計発行部数”. ラノベニュースオンライン. https://ln-news.com/page/circulation 2022年12月8日閲覧。 
  3. ^ “GA文庫『落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)』がアニメ化決定! - アニメイトTV”. 2015年4月15日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t “独占インタビュー「ラノベの素」 海空りく先生『落第騎士の英雄譚』”. ラノベニュースオンライン (2023年12月15日). 2024年2月14日閲覧。
  5. ^ a b c d “『ハンドレッド』『最弱無敗の神装機竜』アニメ化決定&『落第騎士の英雄譚』新キービジュアルが公開された「GA文庫10周年アニバーサリーフェスタ!」公式レポートが到着! GA文庫イベント公式レポート - アニメイトTV”. 2015年5月11日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j “TVアニメ「落第騎士の英雄譚」公式サイト スタッフ&キャスト”. 2015年12月21日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q “落第騎士の英雄譚”. メディア芸術データベース. 2023年5月29日閲覧。
  8. ^ 原作小説第1巻あとがき(314頁)の表記より。
  9. ^ “落第騎士の英雄譚”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  10. ^ “落第騎士の英雄譚 2”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  11. ^ “落第騎士の英雄譚 3”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  12. ^ “落第騎士の英雄譚 4”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  13. ^ “落第騎士の英雄譚 5”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  14. ^ “落第騎士の英雄譚 6”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  15. ^ “落第騎士の英雄譚 6 限定版”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  16. ^ “落第騎士の英雄譚 零”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  17. ^ “落第騎士の英雄譚 7”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  18. ^ “落第騎士の英雄譚 8”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  19. ^ “落第騎士の英雄譚 8 特装版”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  20. ^ “落第騎士の英雄譚 9”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  21. ^ “落第騎士の英雄譚 10”. SBクリエイティブSBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  22. ^ “落第騎士の英雄譚 11”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  23. ^ “落第騎士の英雄譚 12”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  24. ^ “落第騎士の英雄譚 13”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  25. ^ “落第騎士の英雄譚 13 特装版”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  26. ^ “落第騎士の英雄譚 14”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  27. ^ “落第騎士の英雄譚 15”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  28. ^ “落第騎士の英雄譚 16”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  29. ^ “落第騎士の英雄譚 17”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  30. ^ “落第騎士の英雄譚 18”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  31. ^ “落第騎士の英雄譚 19”. SBクリエイティブ. 2023年12月15日閲覧。
  32. ^ “落第騎士の英雄譚 19 画集付き特装版”. SBクリエイティブ. 2023年12月15日閲覧。
  33. ^ “落第騎士の英雄譚 19 画集&タペストリー付き特装版”. SBクリエイティブ. 2023年12月15日閲覧。
  34. ^ “落第騎士の英雄譚 1(漫画)”. スクウェア・エニックス. 2022年12月8日閲覧。
  35. ^ “落第騎士の英雄譚 2(漫画)”. スクウェア・エニックス. 2022年12月8日閲覧。
  36. ^ “落第騎士の英雄譚 3(漫画)”. スクウェア・エニックス. 2022年12月8日閲覧。
  37. ^ “落第騎士の英雄譚 4(漫画)”. スクウェア・エニックス. 2022年12月8日閲覧。
  38. ^ “落第騎士の英雄譚 5(漫画)”. スクウェア・エニックス. 2022年12月8日閲覧。
  39. ^ “落第騎士の英雄譚 6(漫画)”. スクウェア・エニックス. 2022年12月8日閲覧。
  40. ^ “落第騎士の英雄譚 7(漫画)”. スクウェア・エニックス. 2022年12月8日閲覧。
  41. ^ “落第騎士の英雄譚 8(漫画)”. スクウェア・エニックス. 2022年12月8日閲覧。
  42. ^ “落第騎士の英雄譚 9(漫画)”. スクウェア・エニックス. 2022年12月8日閲覧。
  43. ^ “落第騎士の英雄譚 10(漫画)”. スクウェア・エニックス. 2022年12月8日閲覧。
  44. ^ “落第騎士の英雄譚 11(漫画)”. スクウェア・エニックス. 2022年12月8日閲覧。
  45. ^ “落第騎士の英雄譚アンソロジー feat.ステラ”. SBクリエイティブ. 2022年12月8日閲覧。
  46. ^ “GA文庫10周年プロジェクト第3弾 TVアニメ「落第騎士の英雄譚”. 2015年8月15日閲覧。
  47. ^ a b c d e f g “落第騎士の英雄譚”. アニメハック. 2023年5月29日閲覧。
  48. ^ a b c d e f g h i j k l “落第騎士の英雄譚”. allcinema. 2023年6月1日閲覧。
  49. ^ “RESULTS OF THE 2ND TRENDING AWARDS”. Anime Trending公式サイト. 2024年1月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月27日閲覧。
  50. ^ “放送情報”. TVアニメ「落第騎士の英雄譚」公式ウェブサイト. 2015年9月2日閲覧。
  51. ^ テレビ放送対象地域の出典:
    • 政府規制等と競争政策に関する研究会 (2009年10月9日). “放送分野の動向及び規制・制度(資料2)” (PDF). 通信・放送の融合の進展下における放送分野の競争政策の在り方. 公正取引委員会. p. 2. 2018年10月24日閲覧。
    • “基幹放送普及計画”. 郵政省告示第六百六十号. 総務省 (1988年10月1日). 2022年5月11日閲覧。
    • “地デジ放送局情報”. 一般社団法人デジタル放送推進協会. 2022年8月5日閲覧。
  52. ^ “石上静香と東山奈央の英雄譚RADIO”. 音泉 (2015年9月4日). 2015年9月5日閲覧。
  53. ^ “2015年 冬 スペシャルCD企画”. 音泉. 2016年3月31日閲覧。
  54. ^ “「DGS」のふたりがW受賞! 第2回アニラジアワード、8部門の大賞を発表!”. アニメイトTV. 2016年3月31日閲覧。
  55. ^ “落第騎士の英雄譚 リリース記念キャンペーン”. GREE. 2016年5月23日閲覧。

外部リンク

  • GA文庫 | 「落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)」特設ページ
  • 落第騎士の英雄譚《キャバルリィ》 - 漫画 - ガンガンONLINE | SQUARE ENIX
  • TVアニメ「落第騎士の英雄譚」公式サイト
  • 『落第騎士の英雄譚』アニメ公式 (@ittoshura) - X(旧Twitter)
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