寺島良安『和漢三才図会』より「鸞」

(らん)は中国神話の伝説の霊鳥。日本江戸時代の百科事典『和漢三才図会』には、実在のとして記載されている。それによれば、中国類書三才図会』からの引用で、鸞は神霊の精が鳥と化したものとされている。「鸞」は雄の名であり、雌は「和」と呼ぶのが正しいとされる。鳳凰が歳を経ると鸞になるとも、君主が折り目正しいときに現れるともいい、その血液は粘りがあるためにとして弓やの弦の接着に最適とある[1]

実在の鳥類であるケツァールキヌバネドリ目)の姿が、鸞の外観についての説明に合致するとの指摘もある[2]

伝説では、鸞の姿は大変美しく煌びやかだが、その派手さから雛鳥が怖がり、親鳥が持ってきた餌を口移しで食べない。そこであえて自分の羽を泥で汚して餌を雛鳥に与える。その伝説を浄土真宗では「阿弥陀如来の慈悲」を説く時の比喩話に使う。

脚注

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  1. ^ 寺島良安著 島田勇雄・竹島淳夫・樋口元巳訳注『和漢三才図会』 6巻、平凡社〈東洋文庫〉、1987年、319-320頁。ISBN 978-4-582-80466-9。 
  2. ^ 笹間良彦『図説・日本未確認生物事典』柏書房、1994年、163頁。ISBN 978-4-7601-1299-9。 

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