2006年のインディカー・シリーズ
2006年のインディカー・シリーズ | |||
前年: | 2005 | 翌年: | 2007 |
2006年のインディカー・シリーズは、インディカー・シリーズの11年目のシーズンである。
この年より、ホンダエンジンのワンメイクとなり、エンジンでの優劣が無くなった。その分、ドライバーの実力がより問われるものともなった。また、拡大の一途をたどっていたレース数もこの年は3戦のオーバルコースがカレンダー落ちし、14戦でのシーズンとなった。
エンジンがワンメイクとなったことでトップチームの実力が拮抗し、混戦のチャンピオンシップとなったが、チーム・ペンスキーに移籍後トヨタエンジンの劣勢状況からくすぶっていたサム・ホーニッシュJr.が前年チャンピオンでこの年チップ・ガナッシ・レーシングに移籍したダン・ウェルドン(同ポイントながら勝利数比較で上回る)やそのチームメイトスコット・ディクソン、自身のチームメイトエリオ・カストロネベスなどを振り切り、インディカー・シリーズ史上最多の3度目のチャンピオンを獲得した。
またこの年は、マイケル・アンドレッティの息子、マリオ・アンドレッティの孫であるマルコ・アンドレッティが19歳でインディカー・シリーズにデビュー、インディ500ではレース最終盤でこの年インディ500にスポット復帰した父マイケルを抜きトップに立つと、最終周最終コーナーまでトップを守ったが、最後の直線でホーニッシュJr.に抜かれ、2位(父マイケルも3位)に終わり、「アンドレッティ家のインディ500の不運(マリオの1勝以外は一家の誰かがトップを快走した年もことごとく優勝を逃す)」はこの年も払拭はならなかった。しかし、マルコはこの屈辱をインフィニオンで当時の最年少優勝をあげることで晴らした。
この年は開幕戦ホームステッド/マイアミで不幸な事故が起こった。この年レイホール・レターマン・レーシングに抜擢され初のフルシーズン参戦を果たすはずだったポール・ダナがフリー走行中にスピンを喫したエド・カーペンターを避けきれずクラッシュ、その衝撃によるダメージが大きく、結果事故死した。IRL3件目(レース期間中では2件目)の死亡事故となった。
その他のトピックとしては、
- スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングからこの年も松浦孝亮が参戦したが、最高位はホームステッド/マイアミでの前年と同じ6位にとどまった
- ロジャー安川はこの年はもてぎにも参戦ができず、インディ500は何とか予選最終週にプラヤ・デル・レーシングのシートを獲得したが、インディカー・シリーズフル参戦経験のないチームでは完走が精一杯であった
- ダニカ・パトリックはこの年はナッシュビル・ミルウォーキーでの4位が最高。パノスシャシーに足を引っ張られるレースもあり、翌年からアンドレッティ・グリーン・レーシングに移籍を果たすことになる
- この年のワトキンス・グレンではインディカー・シリーズ初の雨中のレースとなった。またこのレースでのスコット・ディクソンの勝利が前年のシャシー規定の変更後劣勢となっていたパノスシャシーの現在のところ最後の優勝となっている(チャンプカーのシャシー・エンジンで行われた2008年ロングビーチを除く)
2006年の開催スケジュールと結果
- この年は上記の通りフェニックス・パイクスピーク・カリフォルニア(フォンタナ)がカレンダー落ち、14戦のシーズンとなった。また、ワトキンス・グレンはシーズン中盤に移動している。
2006年の参戦チーム・ドライバー
チーム | シャシー | エンジン | No. | ドライバー | スポンサー | 備考 |
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アンドレッティ・グリーン・レーシング | ダラーラ | ホンダ | 1 | マイケル・アンドレッティ | ジム・ビーム/Vonage | インディ500のみ参戦 |
7 | ブライアン・ハータ | XM Satellite Radio | ||||
11 | トニー・カナーン | 7-Eleven | ||||
26 | マルコ・アンドレッティ | NYSE Group | ||||
27 | ダリオ・フランキッティ | Klein Tools/ジム・ビーム/Canadian Club | シカゴランド戦前に負傷 | |||
A.J.フォイト4世 | Klein Tools/Canadian Club | フランキッティに代わってシカゴランドに参戦 | ||||
ヴィジョン・レーシング | ダラーラ | ホンダ | 2 | トーマス・シェクター | ||
20 | エド・カーペンター | ホームステッドで負傷、セントピーターズバーグを欠場 | ||||
ロベルト・モレノ | カーペンティアに代わってセントピーターズバーグに参戦 | |||||
90 | タウンゼント・ベル | Rock & Republic | インディ500のみ参戦 | |||
マールボロ・チーム・ペンスキー | ダラーラ | ホンダ | 3 | エリオ・カストロネベス | マールボロ/モービル1 | |
6 | サム・ホーニッシュJr. | マールボロ/モービル1 | ||||
パンサー・レーシング | ダラーラ | ホンダ | 4 | ヴィットール・メイラ | Econova/Lincoln Tech/Revive | |
ドレイヤー&レインボールド・レーシング | ダラーラ | ホンダ | 5 | バディ・ラジアー | Escort Radar Detectors | ミシガン戦の後チームを離脱 |
ライアン・ブリスコー | ワトキンズ・グレン、ナッシュビル、ミルウォーキー、インフィニオンに参戦 | |||||
サラ・フィッシャー | Fastenal/iZon | ケンタッキーとシカゴランドのみ参戦 | ||||
31 | アル・アンサーJr. | A1 Team USA | インディ500のみ参戦 | |||
/ スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング | ダラーラ | ホンダ | 8 | スコット・シャープ | Delphi Corporation | ロードコースでパノスシャシーを使用 |
55 | 松浦孝亮 | パナソニック/ARTA | ||||
ターゲット チップ・ガナッシ・レーシング | ダラーラ | ホンダ | 9 | スコット・ディクソン | ターゲット | ロードコースでパノスシャシーを使用 |
10 | ダン・ウェルドン | ターゲット | ロードコースでパノスシャシーを使用 | |||
プラヤ・デル・レーシング | パノス | ホンダ | 12 | ロジャー安川 | インディ500のみ参戦 | |
21 | ジャック・ラジアー | インディ500のみ参戦 | ||||
A.J.フォイト・エンタープライズ | ダラーラ | ホンダ | 14 | フェリペ・ジアフォーネ | ABC Supply Company | 8レースに参戦後解雇 |
ジェフ・バックナム | ジアフォーネに代わって残りレースに参戦 | |||||
41 | ラリー・フォイト | ABC Supply Company | インディ500のみ参戦 | |||
レイホール・レターマン・レーシング | パノス/ダラーラ | ホンダ | 15 | バディ・ライス | Argent Mortgage | 最初の5戦とソノマでパノスシャシーを使用 |
16 | ダニカ・パトリック | Argent Mortgage | 最初の5戦とソノマでパノスシャシーを使用 | |||
17 | ポール・ダナ | Ethanol Promotion and Information Council | ホームステッドのプラクティスで事故死 | |||
ジェフ・シモンズ | 事故死したダナに代わってもてぎより参戦。もてぎからワトキンズ・グレン、ソノマでパノスシャシーを使用。 | |||||
PDMレーシング | パノス | ホンダ | 18 | シアゴ・メデイロス | インディ500のみ参戦 | |
ロス・レーシング | ダラーラ | ホンダ | 25 | マーティ・ロス | Barabco | インディ500、ミシガン、ケンタッキー、シカゴランドのみ参戦 |
チーバー・レーシング | ダラーラ | ホンダ | 51 | エディ・チーバー | Circle K/Geico | チームはカンザス戦の後撤退 |
トーマス・エンゲ | もてぎのみ参戦 | |||||
52 | マックス・パピス | Sport Clips | インディ500のみ参戦 | |||
ルイエンダイク・レーシング | パノス | ホンダ | 61 | アリー・ルイエンダイクJr. | インディ500のみ参戦 | |
サム・シュミット・モータースポーツ | パノス | ホンダ | 88 | アイルトン・ダーレ | OCTANE Motors/Sanitec | インディ500のみ参戦 |
ヘメルガーン・レーシング | ダラーラ | ホンダ | 91 | P.J.チェッソン | Carmelo | チームはインディ500の後撤退 |
92 | ジェフ・バックナム | Life Fitness | インディ500のみ参戦 | |||
チーム・リーダー・モータースポーツ | パノス | ホンダ | 97 | ステファン・グレゴリー | Effen Vodka | インディ500のみ参戦 |
98 | P.J.ジョーンズ | CURB Records | インディ500のみ参戦 |
ポイントランキング
優勝から10位までは順に50-40-35-32-30-28-26-24-22-20のポイントが与えられ、それ以下は18位までは1ポイントずつ減少し、18位から24位まではすべて12ポイント、25位以下はすべて10ポイントが与えられ、最多リードラップに3ポイントのボーナスポイントを総合しタイトルが争われた。 ペンスキーとチップ・ガナッシの4人のドライバーによって最終戦まで争われた激戦を最終戦でチームメイトを逆転、チップ・ガナッシの猛追をしのいだホーニッシュJr.がウェルドンと同点ながらチャンピオンを獲得した。
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順位 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | DNS |
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ポイント | 50 | 40 | 35 | 32 | 30 | 28 | 26 | 24 | 22 | 20 | 19 | 18 | 17 | 16 | 15 | 14 | 13 | 12 | 12 | 12 | 12 | 12 | 12 | 12 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 6 (7) |
- 同ポイントの場合は勝利数が多い方が上位となる。
注
1 ポール・ダナはホームステッドのプラクティス・セッションでコントロールを失ったエド・カーペンターの車両と衝突した。ダナは病院に搬送されたものの、頚椎骨折により死亡した。30歳没。
関連項目
- 2006年のアトランティック・チャンピオンシップ・シーズン
- 2006年のチャンプカー・シーズン
- 2006年のインディライツ・シーズン
外部リンク
- IRL公式ウェブサイト
- インディ500公式ウェブサイト