24,25-ジヒドロキシコレカルシフェロール

24,25-ジヒドロキシコレカルシフェロール

(6R)-6-[(1R,3aS,4E,7aR)-4-[(2Z)-2-[(5S)-5-hydroxy-2-methylenecyclohexylidene]ethylidene]-7a-methyl-2,3,3a,5,6,7-hexahydro-1H-inden-1-yl]-2-methylheptane-2,3-diol

略称 24,25(OH)2D3
識別情報
CAS登録番号 40013-87-4 チェック
PubChem 6434253
ChemSpider 4939193 チェック
  • O[C@@H]1CC(\C(=C)CC1)=C\C=C2/CCC[C@]3([C@H]2CC[C@@H]3[C@H](C)CCC(O)C(O)(C)C)C
  • InChI=1S/C27H44O3/c1-18-8-12-22(28)17-21(18)11-10-20-7-6-16-27(5)23(13-14-24(20)27)19(2)9-15-25(29)26(3,4)30/h10-11,19,22-25,28-30H,1,6-9,12-17H2,2-5H3/b20-10+,21-11-/t19-,22+,23-,24+,25?,27-/m1/s1 チェック
    Key: FCKJYANJHNLEEP-SRLFHJKTSA-N チェック
  • InChI=1/C27H44O3/c1-18-8-12-22(28)17-21(18)11-10-20-7-6-16-27(5)23(13-14-24(20)27)19(2)9-15-25(29)26(3,4)30/h10-11,19,22-25,28-30H,1,6-9,12-17H2,2-5H3/b20-10+,21-11-/t19-,22+,23-,24+,25?,27-/m1/s1
    Key: FCKJYANJHNLEEP-SRLFHJKTBM
特性
化学式 C27H44O3
モル質量 416.63 g/mol
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

24,25-ジヒドロキシコレカルシフェロール(24,25-Dihydroxycholecalciferol)は、24,25-ジヒドロキシビタミンD3(24,25-dihydroxyvitamin D3または(24R)-hydroxycalcidiol (24(R),25-(OH)2D3と省略される))とも呼ばれており)[1]ビタミンD3の活性型である1,25-ジヒドロキシビタミンD3と密接な関係のある化合物であるが、ビタミンD3そのものや25-ヒドロキシビタミンD3とは異なり、生体内でも試験管内でもホルモンとしては不活性化されている[2][3]

生成及び意味

24,25-ジヒドロキシビタミンD3は、25-OH-D3の経路のC-24とC-23の反応の大半を触媒する汎用タイプの酵素であるP450cc24 (25-hydroxyvitamin D3-24-hydroxylase)により25-ヒドロキシビタミンD3から生成される[4]。24,25-ジヒドロキシビタミンD3は、25-ヒドロキシビタミンD3からの排泄される運命にある代謝物である[5]

皮膚で産生されたものであれ経口摂取されたものであれ、ビタミンD3(コレカルシフェロール)(下図左)は、肝臓でC25の位置でヒドロキシ化の代謝を受け 25-ヒドロキシコレカルシフェロール(別名25(OH)D3カルシジオール)(下図右)へと変化し肝細胞に貯えられ、必要なときにα-グロブリンと結合しリンパ液中に放出される。なお、Cの番号はステロイドやコレステロールの構造と炭素の番号に由来する。

カルシジオール(下図左)は、腎臓の尿細管に移送され、2つの種類のビタミンDの型に変化する。一つは活性型ビタミンD(1,25-ジヒドロキシビタミンD3カルシトリオール)(下図右)となる。ヒドロキシ化されたC1は下側リング右側に位置する。 ホルモン作用を有する活性型ビタミンD(カルシトリオール)は、副甲状腺ホルモンに加えて低カルシウム、低リン酸状態により活性化した1α-ヒドロキシ酵素によって生成される。

1α-ヒドロキシ酵素が不活性な場合には、別の酵素がカルシジオールのC-24をヒドロキシ化して、もう一つの非活性型ビタミンD(24,25-ジヒドロキシビタミンD3)(下図左)を生成する。この反応によりカルシジオールは生化学的な作用から不活性化される。 また、不要となったカルシトリオールは、カルシトリオール24-ヒドロキシラーゼの触媒作用によってカルシトロン酸(下図右)が生成される。この物質は、水に溶け、尿中に排泄される。

24,25-ジヒドロキシコレカルシフェロール
カルシトロン酸

脚注

  1. ^ "Nomenclature of Vitamin D. Recommendations 1981. IUPAC-IUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature (JCBN)" reproduced at the en:Queen Mary University of London website. Retrieved 21 March 2010.
  2. ^ Sørnes S, Bjøro T, Berg JP, Torjesen PA, Haug E (1994). "Calcitriol attenuates the basal and vasoactive intestinal peptide-stimulated cAMP production in prolactin-secreting rat pituitary (GH4C1) cells." Mol. Cell. Endocrinol. 101 (1-2): 183–8. PMID 9397951
  3. ^ Mortensen BM, Gautvik KM, Gordeladze JO (1993). "Bone turnover in rats treated with 1,25-dihydroxyvitamin D3, 25-hydroxyvitamin D3 or 24,25-dihydroxyvitamin D3". Biosci. Rep. 13 (1): 27–39. PMID 8392394
  4. ^ Beckman MJ, Tadikonda P, Werner E, Prahl J, Yamada S, DeLuca HF (1996). Biochemistry 35 (25): 8465–72. DOI: 10.1021/bi960658i.
  5. ^ Sömjen D, Sömjen GJ, Weisman Y, Binderman I (April 1982). “Evidence for 24,25-dihydroxycholecalciferol receptors in long bones of newborn rats”. Biochem. J. 204 (1): 31–6. PMC 1158312. PMID 6981414. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1158312/.