グアニル酸

5'-グアニル酸
5'-GMPの構造
IUPAC名グアノシン-5'-リン酸
別名5'-グアノシン一リン酸
分子式C10H14N5O8P
分子量363.22
CAS登録番号85-32-5
形状無色固体
融点190–200 °C(分解)[1]
SMILESO[C@H]1[C@H]([C@H](N2C
(N=C(N)NC3=O)=C3N=C2)
O[C@@H]1COP(O)(O)=O)O

グアニル酸(グアニルさん、guanylic acid)は、ヌクレオチド構造を持つ有機化合物の一種である。グアノシン一リン酸 (Guanosine monophosphate) とも呼ばれ、GMPと略される。GMPは核酸塩基グアニン、五炭糖のリボース、1つのリン酸より構成されており、リン酸とグアノシンヌクレオシド)の間でリン酸エステルを形成している。リン酸エステルの位置により、2'-体、3'-体、5'-体が知られる。5'-体はRNA中の部分構造として現れ、呈味性ヌクレオチドとしても用いられる。

利用

5'-GMPはシイタケエノキタケなどのキノコ類の旨味成分であり工業的に生産されて、核酸系調味料として利用される。核酸系調味料の多くはカツオブシの旨味成分である5'-IMPと5'-GMPの混合物であり、工業的には酵母RNAを原料にして、アオカビのヌクレアーゼP1(EC. 3.1.30.1)を作用させて5'-GMPと5'-AMPの混合物にし、コウジ菌のAMPデアミナーゼで5'-AMPのみを5'-IMPに転換して酵素的に核酸系調味料を製造している。[2]

参考文献

  1. ^ Merck Index 12th ed.
  2. ^ 一島英治、『酵素の化学』p183 ISBN 4-254-14555-1

関連項目

核酸の構成要素
核酸塩基

プリン (アデニングアニン、プリン類縁体) · ピリミジン (ウラシルチミンシトシン、ピリミジン類縁体)

ヌクレオシド
リボヌクレオシド
デオキシリボヌクレオシド
ヌクレオチド
(ヌクレオシド一リン酸)
リボヌクレオチド

AMP、GMP、m5UMP、UMPCMP

デオキシリボヌクレオチド

dAMPdGMPdTMPdUMPdCMP

環状ヌクレオチド

cAMPcGMP、c-di-GMP、cADPR

ヌクレオシド二リン酸

ADPGDP、m5UDP、UDPCDP  · dADPdGDPdTDP、dUDP、dCDP

ヌクレオシド三リン酸

ATPGTP、m5UTP、UTPCTP  · dATPdGTPdTTP、dUTP、dCTP

プリン代謝
同化

R5PIMP: R5P · PRPP · PRA · GAR · FGAR · FGAM · AIR · CAIR · SAICAR · AICAR · FAICAR

IMP→AMP: アデニロコハク酸

IMP→GMP: キサンチル酸

異化
ピリミジン代謝
同化

カルバモイルリン酸 · カルバモイルアスパラギン酸 · 4,5-ジヒドロオロト酸 · オロト酸 · オロチジン-5'-一リン酸 · ウリジル酸

異化

ウラシル: ジヒドロウラシル · 3-ウレイドプロピオン酸 · β-アラニン
チミン: ジヒドロチミン · β-ウレイドイソ酪酸 · 3-アミノイソ酪酸

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