Espresso

曖昧さ回避 この項目では、マイクロプロセッサについて説明しています。その他のEspressoについては「エスプレッソ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
Espresso
ヒートスプレッダを外したWii Uマルチチップモジュールのイラスト。右下の小ぶりなチップがIBM製の"Espresso"。他のチップはAMD製GPU(大きなチップ)"Latte"とルネサス製EEPROMチップ(最も小さいチップ)。
生産時期 2012から
販売者 Nintendo
設計者 IBM, 任天堂 統合研究開発(英語版), Nintendo Technology Development(英語版)
生産者 IBM
CPU周波数 1.24 GHz
アーキテクチャ Power Architecture
マイクロアーキテクチャ Not verified by Nintendo[訳語疑問点]
命令セット 3
コア数 3
L2キャッシュ 1× 2 MB, 2× 512 KB (on-die)
GPU AMD Radeon Latte
テンプレートを表示
Power
アーキテクチャ
過去
現在
予定
  • POWER11

Espresso (エスプレッソ) は任天堂の家庭用ゲーム機Wii Uに使用されている32bit CPUのコードネーム。IBMによって設計された。45nmSOIプロセスによって製造されている。Espressoチップはルネサスによって製造されたマルチチップモジュール上に、AMDGPUと共に載っている。2011年6月のE3 2011(英語版)で発表され、2012年11月に発売された。

設計

ヒートスプレッダ付きWii Uマルチチップモジュールのイラスト。任天堂によって設計され、そのコンポーネントがAMD、IBM、ルネサスによって作られており、2012年の第26週[※ 1]に日本で製造されたことが、マーキングされている。

IBMと任天堂はEspressoが、消費電力低減と処理速度向上のため単一チップ上に3つのコアを持つPowerアーキテクチャのマイクロプロセッサであると明らかにした。Espresso CPUとGPUは、複雑さの低減、チップ間通信の高速化、消費電力低減、コストと基板上スペースの削減のため、マルチチップモジュールとして単一の基板上に配置されている。二つのチップはルネサスによって、マルチチップモジュールに日本国内で組み立てられる[1]。Espressoチップそのものは、ニューヨーク州East FishkillにあるIBMの300mmウェハ工場で45nmSOI技術で製造される[2]。チップにはCPUキャッシュ用として、製造時にeDRAMが埋め込まれている。

その後、任天堂によっては確認されていないが、ハッカーや分解を試みた者、非公式の情報提供者によって名前[3]や大きさ[4][5]、速度[6][7]など、Espressoについての詳細情報が明らかにされた。マイクロアーキテクチャは先代のBroadwayとGekko、すなわちPower PC 750ベースのプロセッサにかなり似ているが、CPUキャッシュがより大きく、高速なものになり、マルチプロセッサ対応となった。

Wii UのCPUつまるところのEspressoは、IBMのサーバ向けハイエンドCPU POWER7から派生したとの噂があったが、嘘であったことがわかった。EspressoはeDRAMやPowerアーキテクチャなど、いくつかの技術をPOWER7と共有しているが、これは表面的な類似点に過ぎない[8][9][10][11][12]

仕様

以下の仕様は、任天堂及びIBM双方が公式に認めるものではない。これらの情報は、marcanの別名を持つハッカーHector Martinによるリバースエンジニアリングによって得られた[13]

  • Broadwayベースのコア・アーキテクチャ[14]
  • 1.243125 GHz
  • 3つの物理コア
  • MESI及びMERSIをサポートする対称型マルチプロセッシング[15]
  • スーパースカラ並列処理により、1コアあたり毎クロック4命令の実行が可能。
  • 32bit 整数ユニット
  • 64-bit 浮動小数点ユニット (または 32bit SIMD×2 , often found under the denomination "paired singles"[訳語疑問点])
  • 特異な構成による合計3MBのL2キャッシュ[16]
    • コア0: 512 KB, コア1: 2 MB, コア2: 512 KB
  • 4~6ステージのパイプライン
  • 1つのコアあたり6つの実行ユニット(合計18ユニット)

脚注

出典

[脚注の使い方]
  1. ^ Iwata asks: Wii U: The Console
  2. ^ NEW WII U™ ON SOI
  3. ^ World Exclusive: Wii U Final Specs
  4. ^ Nintendo Wii U Teardown - AnandTech.com
  5. ^ Nintendo Wii U Teardown - iFixit.com
  6. ^ Wii U has 1.24GHz CPU, 550MHz graphics core
  7. ^ Wii U CPU, GPU Details Uncovered
  8. ^ IBM puts Watson's brains in Nintendo Wii U
  9. ^ IBM teases on Wii U CPU specs
  10. ^ Rumored Wii U Specs Raising Eyebrows... for the Wrong Reasons
  11. ^ IBM reconfirms the Wii U/Watson connection
  12. ^ IBM Confirms WII U Utilizes Power-Based CPU, Not Power 7
  13. ^ Joel Hruska (2012年11月29日). “Hackers Discover Wii U's Processor Design and Clock Speed”. HotHardware. 2014年1月21日閲覧。
  14. ^ @marcan42, Twitter - 2012-12-09
  15. ^ @marcan42, Twitter - 2013-11-23
  16. ^ @marcan42, Twitter - 2013-01-30

注釈

  1. ^ 訳注:6月
  2. ^ 訳注:Wii
  3. ^ 訳注:ニンテンドーゲームキューブ

外部リンク

  • Wii U graphics power finally revealed
  • Nintendo exec denies Wii U processor is 'a little poor'
  • First page of developer's user manual